佐藤優のインテリジェンスレポート「中国による防空識別圏設定」

【佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」号外(2013年12月4日配信)】
―第1部― インテリジェンスレポート
 ■分析メモ No.59 「中国による防空識別圏設定」
―第2部― 読書ノート
 ■読書ノート No.78 「革命家の遺児は万景台の血統、白頭の血統をしっかり継いでいく先軍革命の頼もしい根幹となるべきである。――万景台革命学院、康盤石革命学院創立六五周年に際して学院の教職員、生徒に送った書簡――チュチェ一〇一(二〇一二)年一〇月一二日」
 ■読書ノート No.79 『問答有用――中国改革派19人に聞く』
―第3部― 質疑応答
―第4部― 文化放送「くにまるジャパン」発言録
―第5部― 今後のラジオ出演、講演会などの日程
〔PHOTO〕gettyimages

分析メモ No.59 「中国による防空識別圏設定」

【事実関係】
11月23日に中国国防省が沖縄県の尖閣諸島を含む空域に戦闘機が緊急発進する基準となる防空識別圏(ADIZ)を設定したと発表した。

【コメント】
1.―(1)
今般、中国が設定した防空識別圏は、既にわが国が設定している防空識別圏と一部重なる。これは日中武力衝突を招きかねない中国による危険な挑発行為だ。

1.―(2)
中国が防空圏を設定した目的は2つある。第1は、南は尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権主張で、第2は東シナ海の資源開発に関して、中国の優越的地位を獲得することである。

2.―(1)
今回、外務省はわが国益を擁護するために、実によく頑張っている。ただし、外交実務交渉に従事した経験のある人以外には、水面下での外務省の努力が見えにくい。

2.―(4)
23日以降、台湾、香港路線を持つ日本航空、全日空、ピーチ・アビエーション、日本貨物航空は、飛行計画を中国当局に提出していたが、27日からは提出をやめた。

2.―(5)
尖閣諸島上空の現状を変更しようとする中国国防省の思惑は外れた。

2.―(6)
外交官の信頼関係は、国家間の関係が緊張したときに発揮される。外交実務を経験した人以外にはなかなか見えないが、齋木氏が程大使と、職業的良心に基づいた、個人的信頼関係を構築しているから、こういう非常事態のときに負の連鎖を防ぐ措置を取ることができたのだ。程大使も日本との関係悪化を防ぐために頑張っていることが行間から伝わってくる。

3.―(2)
中国が設定した防空識別圏に米国領は含まれていない。従って、民間会社が中国当局の管轄に事実上服することになる書類を提出しても、米国の国益を毀損することにはならないと判断した。このような書類の提出を避けることを日本が出来たのは、2.で述べたように日本の外交努力によるものである。

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