アメリカとイランの34年間の冷戦が終わるとき
『現代ビジネスブレイブ グローバルマガジン』---「ニューヨークタイムズ・セレクション」より
〔PHOTO〕gettyimages

イランへの制裁のおかげで寵愛を受けられた

アラブ首長国連邦、ドバイ発―― 私はこれまでに大きな地震を体験したことがない。しかし先週(11月中旬)サウジアラビアとアラブ首長国連邦で過ごした今は、それがどんなものか分かる気がする。

ジュネーブで行われた、イランが核開発計画の一部を制限する見返りとして、経済制裁の一部を若干緩和するためのアメリカ主導による暫定交渉は、スンニ派のアラブ地域(そしてイスラエル)を地政学的な大地震のように襲った。

この暫定交渉は、イランが一切の核兵器開発を中止する見返りに同国への制裁を廃止するための会談に先立って行われた。もし協定が締結されたら、それは中東の再編成に関し、1970年代のキャンプ・デービッドの平和条約とイランのイスラム革命を合わせた以上のインパクトをこの地域に与えかねない。

なぜか? 1979年におきたイランでのイスラム革命は、(情緒的な表現をすれば)兄貴が後ろ手にドアをバタンと閉めて家を出て行ったようなものだったからだ。家族はそのうち兄の不在に慣れ、彼の部屋や自転車を使うようになる。そして兄がいない分、誰もが34年にわたり米国政府の注目と寵愛をたっぷり受けることができた。

ところが今、兄であるイランが復帰して、米国と独自の関係をもつことは、サウジアラビア、湾岸諸国、エジプト、ヨルダンなどの米国のスンニ派アラブ同盟国にとって、考えただけでも神経を逆撫でされる。イランがシリア、レバノン、イエメン、バーレーンに対し悪意ある干渉をしている今は、なおさらのことだ。

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