堀義人「100の行動」

【農林水産 その2】 農協を分割し、ネット等による新規参入を促し、農業流通改革を断行せよ!

2013年12月07日(土) 堀 義人
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〔PHOTO〕gettyimages

農協の歴史は古い。農協(JA)は、戦前の産業組合や戦時中の農業会を引き継いでおり、全国農協中央会(JA全中)や全国農協連合会(JA全農)を頂点に都道府県ごとの組織があり、その下に全国約700の地域農協がぶら下がる中央集権型の構造になっている。そして戦後、減反とコメ価格の高値維持という政策の下で、日本の「農業」は衰退していったが、「農協」だけが繁栄していったのだ。

歴史的に農協は、組織維持のために組合員の減少を嫌い、農業の大規模化に反対し、多数の零細な兼業農家体制を維持してきたと言われている。政治的な圧力団体である農協が、農地の集約化=農家戸数の減少に反対するため、政府は農地集約化の構造改革に踏み込む事が出来ない。結果的に農家の所得を維持するために、米の価格が上がっていった経緯がある。

米価が上がれば、農協の手数料収入も増える。多くの零細な兼業農家が維持されたため、それらの農家は非農業収入や農地の切り売りで得た資金を農協に預金している。そういった資金で農協は銀行、生損保、農業資材リースまでを行う金融コングロマリット化し、今では農協は預金量約90兆円、保険事業の総資産約50兆円とメガバンクと国内最大手保険会社を合併させたような規模にまで至っている。

このように、農協の組織維持と収益は、高いコメ価格にある程度は左右される。コメの低価格化=競争力強化につながるTPPなどに農協が反対するのは、そこに本質があるのだと指摘されている。

農家の相互扶助組織として流通や物資の融通で助け合うのは良いことだ。だが、組織維持のために、流通を独占・寡占する金融・流通コングロマリットである農協が、農業の産業競争力強化に抵抗するのであれば、問題である。農業の競争力強化には、流通過程に競争原理を導入することが欠かせないからだ。

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