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二宮清純「殿堂入り大野豊を育てた男」

2013年12月06日(金) 二宮 清純

 ドラフト制度導入以降、いわゆるテスト生から身を起こし、野球殿堂入りまで果たした選手となると、先頃、祝宴を広島市内で開いた元広島の大野豊さんくらいでしょうか。

 島根県の出雲信用組合時代は軟式野球部に所属していました。当時の広島はサウスポーが不足していたため、「島根におもしろい左がいる」ということで採用が決まったそうです。

 もっとも1年目の防御率は135.00。それが終わってみれば、2.90という通算防御率なのですから、人生とはわからないものです。

キャッチボールが基本

 大野さんの野球人生を振り返る上で、抜きにすることができないのが江夏豊さんです。

「大野を一人前にしてやってくれ」
 古葉竹識監督から頼まれた江夏さんは、名前が同じということもあり、大野さんを弟のようにかわいがりました。

 江夏さんの教えはシンプルでした。「キャッチボールを大事にしろ!」。ピッチングの基本はキャッチボール、というのが江夏さんの考え方でした。

 大野さんは語っていました。「キャッチボールと言えども、少しでもバランスやタイミングがズレれば、ボールが引っかかったり、抜けてしまう。どの角度で腕を振るか、どこでボールを離すか。江夏さんは1球1球、それを確認していました」

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