ドイツ
行き当たりばったりで普遍性のない主張を世界に向かってつぶやく前に、「その価値があるかどうか」を考えてほしい! ~ツイッターについて思うこと
〔PHOTO〕gettyimages

2013年の10月、ローマ教皇のツイッターのフォロワーが1000万人を超えたそうだ。

一方、「メルケル ツイッター」と検索すると、現在利用中のアカウントだけで、少なくとも5種類出てくる(うち一つは英語)。

すべて写真入りで、一瞬、本物と見間違うが、読むとすぐに変だと気付く。実はどれも偽物だ。いったい誰が登録しているのだろう。ちゃんとフォロワーまでいる。ちなみに、ローマ教皇にも偽アカウントはある。

メルケル首相の本物のツイッター・アカウントは公式ホームページに出ているが、こちらは彼女のスポークスマンが代理で発信している。

日本もそうだが、ドイツでもツイッターをする政治家は多い。ただ日本と違うのは、国会の審議中に、多くの議員がスマホに熱中していることだ。

つまりドイツの国会では、議員の1人が答弁をすると、その内容、そして、それに対するツイッター議員の称賛やら非難の言葉が、同時中継のように刻々と議事堂から外へ放たれる。政治記者は、多くの議員の考えが即座にわかって便利かもしれないが、何だか腑に落ちない。議員は審議に集中してほしい。

公私を分けられない人が増えてきた

私はツイッターもフェイスブックもやらない。ブログもない。こんなことをしていると、時代に取り残されるのかもしれないが、なんだか時間を取られそうだし、このコミュニケーションの方法にあまり興味もない。

ただツイッターは、自分が登録していなくても、公開してあるものは見ることができる。ときたま覗いてみるが、愕然とすることが多い。

まず、言葉使いが荒い。多くは、隣にいる一番親しい仲間に話しかけるような気軽さだ。最初それを見たとき、ツイッターというのは、"全員がクラスメート風にコミュニケート"という前提になっているのかと思ったが、そうでもないらしい。ちゃんとした文章で、書いている人もいる。

その一方で、あまりにもラフなものを見ると、友達でない人も読むのに失礼ではないかなどと思うのだが、余計なお世話だろうか?

また、中にはものすごくガラの悪いツイートもある。他人を「バカ」呼ばわりしてみたり、ただの罵倒だったり。批判をするのは簡単だが、それにしても、日本人はいつからこんな文章を公然と人目に晒すようになってしまったのかと悲しくなる。

しかし、何と言っても一番引っ掛かるのは、内容の無さだ。「へえ、そうだったんだ。これから俺も気を付けよう」とか、「嵐になるってさ。みんな、早く帰ろうね」などというのを読むと、そんなことを全世界に向かって発信する人の気がしれない。

また、「まだ読んでないけど、これ面白そう」と呟きながら、リツイートする人もいる。とにかく、ツイッターの世界には、信じられないことが多い。

ツイッターが普及して民度が下がったという意見を聞くが、私はそうは思わない。これらは、本来は隣にいる友達に言って終わっていたはずの発言で、今、始まったわけではないし、とくに問題もない。私だって日頃、プライベートな場所では、しょっちゅう内容のないことを口走っている。

つまり問題は、そういう仲間内の会話が白昼堂々と表に出てきたことだ。さらに言うなら、そんな会話を一般に公開して、何の疑問も感じない神経が問題なのである。最近、公私を分けられない人が、増えてきたようだ。

もっと酷いのは2チャンネルで、一度目にしたときは吐き気がした。もちろん、敬語も何もない、ただのごろつきの罵倒だ。利用人口は1000万人を超えているという。職場でやっている人の比率が多いという噂もあり、ちょっと恐ろしい。

ニコニコ動画の、画面に流れ続けるコメントも、それに劣らずひどい。出演している人に向かって、始終、野次を飛ばし続けるのが、それほど楽しいことなのか。それも、「この禿げ、まぶしい」、「早く引っ込め」といった類の下劣なものも多い。

初めてニコニコ動画を見たのは、自分が出ていた映像だったからだが、コメントに気を取られ、内容が頭に入らず、すぐに止めた。コメントは消すことができると後で聞いたが、それにしても、こんなものがあることも不思議で、さらに、そこにごろつきコメントを嬉々として入れ続ける人がいることも、信じられなかった。とても気味が悪い。

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