経済の死角

いまがよければそれでいい、では済まない「原発のゴミ」捨てる場所がないと最後はこうなる

わき上がる待望論 小泉純一郎を「原発ゼロ特命大臣」に!

2013年12月06日(金) 週刊現代
週刊現代
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日本には放射線廃棄物の最終処分場は作れない—。小泉純一郎元首相の言う通り、これは紛れもない事実だ。立命館大学名誉教授で放射線防護学が専門の安斎育郎氏はこう語る。

「小泉氏は今年の夏に、フィンランドにある放射性廃棄物の最終処分場・オンカロを見て原発は即時ゼロにすべきと思ったと言っていますが、これは納得できる話です。

フィンランドには原発が4基ありますが、オンカロは2基分しか用地がない。それに対し、日本には54基もの原発があるにもかかわらず、最終処分場は一ヵ所もありません。オンカロもそうですが、放射性廃棄物の処分場は、地下300mより深くの、硬い岩盤の地層に埋める『地層処分』が主流です。4つのプレートがせめぎあい、活断層が2000本ある日本には、オンカロのような頑強な地層はどこにもありません。最終処分場を作ることは不可能です」

安斎氏は、40年以上にわたって反原発の姿勢を貫き、放射性廃棄物の処分の問題について訴えてきた。

「廃棄物に含まれるプルトニウムの半減期は約2万4000年。放出される放射線が10分の1より少なくなるまでに10万年近くかかる。『ここが危険な場所である』と、将来世代にどう伝えるのか。考えてもみてください。いまから10万年前はネアンデルタール人が歩いていた時代ですよ」

いままで政府は、原子力発電が安全でローコストな「夢のエネルギー」だという大嘘を言い続けてきた。その根拠としていたのが、「核燃料サイクル」だ。核燃料サイクルとは、使用済み燃料棒から再処理施設でプルトニウムとウランを分離し、それらを再利用するというサイクルのこと。政府や原発ムラの電力会社などは、その過程で高レベルの放射性廃棄物という厄介な「原発のゴミ」が生まれる問題を、国民にほとんどアナウンスしてこなかった。

何の使い道もないが、高い放射線を何万年も撒き散らし続ける高レベル放射性廃棄物は、日本の法律では、ガラスで固められ「ガラス固化体」として地下で処分されることになっている。

固化直後のガラス固化体の表面の温度は200℃以上。放射線量は、表面の位置に人間がいたと仮定すると、毎時1500シーベルトにもなる。これは人間の被曝致死量である7シーベルトを、わずか20秒で浴びてしまうレベルである。

だからこそ、放射線を遮断する容器に格納し、地下深くに処分するように定められているのだ。

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