「講座:ビジネスに役立つ世界経済」
【第27回】 理由を見つけるのが難しい最近の円安ドル高

[Photo]Getty Images

金利差で為替レートの動きを説明するのはおかしい

現在、円安が進行している。原稿執筆時点の12月3日時点で1ドル=103円に迫る勢いである。だが、今回の円安は「専門家」である為替アナリストにとってはいささか不思議な現象であったのだろう。最近、為替アナリストから気のきいたコメントは聞かれない。

それは当然であるかもしれない。なにか日米債券市場で金利差が拡大するような特別な現象が起こった訳でもない。大多数の為替アナリストが用いる「日米何年物金利差でいえば・・・」という話は通用しないためだ。

そもそも筆者は、金利差で為替レートの動きを説明するのはおかしいと考えている。当たり前だが、グローバル市場では、金利(債券)と為替レートは同時決定であり、為替市場のトレーダーが日米の金利の動きをみてから取引している訳ではないだろう。マーケットの体系としては、為替も金利も同時に「ガラッ」と変わる訳である。

さらに、現在の「金利差で為替が動く」云々という話は、より高い金利収入を狙って、資本が低金利国から高金利国へ動く結果、高金利国の為替が増価する、というロジックになっている。

だが、高金利国の為替レートがいつも増価するのであれば、高金利国の債券で運用すれば、金利と為替両方で利益が獲れることになる。そのメカニズムが正しければ、誰もが高金利通貨にお金を移すだろう。

そうすると、金利差がなくなるまで為替は増価し続けるはずである。特に、低金利国からお金が流出するために、低金利通貨の為替レートが減価すると同時に資金不足から金利が急騰する。その結果、低金利国で経済がボロボロになってようやく為替レートが落ち着くことになる。

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