ふたたび世界一の座を取り戻そうとする中国はいま、何を考えているのか?
[Photo]Getty Images

各国が批判する中国の防空識別圏設定

中国が、東シナ海に防空識別圏を設定した。日本はもとより、韓国、アメリカ、さらにはオーストラリアもこれを批判した。日本は、航空自衛隊や海上保安庁の飛行機を、アメリカは空軍の爆撃機をこの圏内で飛行させ、中国を牽制した。中国は、これにはスクランブル(緊急発進)で対応したと発表した。

日米、とりわけアメリカが、即座に軍の航空機を飛行させたのは、「通常の訓練」とは言うものの、力による現状変更は認めないという強力な意思表示である。

中国は、この圏内を飛行する民間航空機に対して事前に飛行計画を提出するように求めているが、日本航空や全日空は日本政府の要請を容れて計画書の提出を取りやめた。わが国固有の領土上空を飛行するのに、中国に対していちいち計画書を出すのはおかしいという判断である。

ところが、アメリカ政府は、同国の民間航空会社が計画書を提出することは容認するという。これに対して、オバマ外交には軸足がなく、ぶれていると批判する者もいるが、民間の飛行機なので、各社が安全第一で決めることであり、政府は関知しないということなのであろう。しかし、中国は、自分の主張が認められたと、対外宣伝に活用している。

香港のメディアによると、習近平国家主席は4ヵ月前に防空識別圏の設定を決めたという。習近平体制が発足してから1年が経つが、その権力基盤はまだ十分に確立されてないという観測もある。とくに李克強首相との権力争いが激しく、少しでも自分の立場を有利にするために、軍部の歓心を買うこともあえて行うようである。防空識別圏の設定もその一環と見る専門家もいる。

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