11月8日、債権格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がフランスの格付けを下げた。これが重大ニュースとなり、フランスは危機的状況のようだ、と大々的に報じられた。しかし、市場はあくび。フランスの史上最低に近い借入コストは、ほとんど動かなかった。
これは一体どういうことなのか。答えは、S&Pの行為は、金融引き締めを取り巻く、政治的文脈の中で見る必要があるということだ。つまり格下げは経済ではなく政治だ、という意味である。
このフランスに対する陰謀(実に多くの人がフランスの悪口を言うので、私は冗談半分でこう言うが)は、ヨーロッパでもアメリカと同様に、財政にガミガミ言う連中は、本当のところは、財政赤字の問題を気にしていないという明白な証拠である。その代わり連中は、債務への恐怖をイデオロギー的な行動計画の実践のために利用している。そしてそれに同調しないフランスは、絶えず否定的なプロパガンダの標的となってきた。