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「かつてない殺人寒波」首都圏襲来で大パニック!

急激に列島が冷え込んできた。とくに11月12日は栃木・宇都宮や群馬・草津で氷点下になるなど、全国928の観測点のうち668地点で今季最低を記録。各地で真冬並みの寒さとなり、場所によっては50cmを超す大雪となった。東京では前日の11日に「木枯らし1号」が吹いたが、これは昨年より7日早い。

いよいよ冬本番といったところだが、ちょっと待ってほしい。今年の秋は短すぎた気がしないか。ちょうど1ヵ月前の10月12日、東京都心で最高気温が31・3度まで上がり、1875年に観測を始めて以来、最も遅い真夏日となった。11月12日の最低気温7.9度と比べると、一気に23度以上も下がったことになる。あまりにも急すぎだ。気象予報士の森田正光氏が冷え込みの原因を解説する。

「今年はフィリピン近海の海水温が高い。その地域で上昇した空気によって偏西風が北側に曲げられ、冷たい空気が日本上空に入ってきた。フィリピンに大被害をもたらした台風30号も偏西風を押し上げて、日本付近に寒気を落としこむ一因となっているのです」

困ったことに、寒波はさらに勢いを増し、この冬ずっと続きそうだという。

「今年の寒波は『3波型』の形になると予想されています。3波型とは、アメリカ東部、ヨーロッパ中央部、極東地方の3ヵ所に寒気が落ちる形で、寒気が分散される4波型や5波型より寒くなり、持続しやすい。最低でも2週間ほど寒さが続き、解消しても再び寒気がやってくる。'63年や'71年の記録的な豪雪は、この3波型が原因だったのです」(同前)

今年は高知・四万十で国内最高気温41・0度が観測されたが、気象が激甚化している現況を鑑みるに、今冬、最低気温も更新される可能性は大いにある。

恐れるべきは寒さだけではない。今年2月には青森・酢ヶ湯で556cmの積雪日本記録が観測された。専門家によると、実は日本海側のような大雪が首都圏を襲う可能性は否定できないのだという。東京は過去最高が1883年の46cm、次いで1945年の38cm、近いところでは'94年に23cmを観測しているが……。科学ジャーナリスト・大宮信光氏が警告する。

「北からの寒気とは別の話ですが、低気圧は黒潮に沿ってすすむ傾向があり、黒潮が蛇行している年は首都圏で大雪が降ることが知られている。今年は蛇行しています。台湾付近で発生する『南岸低気圧』が北東に進行してくることが通常なのですが、それがさらに程度の強い極低気圧『ポーラー・ロウ』だった場合、相当危険です。あたかも台風のように強大な勢力になり暴風雨のごとく豪雪が襲う。

たとえば'05年に東京・杉並区を襲ったゲリラ豪雨では、数時間で250mmの猛烈な雨が降りました。雪は体積が雨の10倍になるといわれています。250mmの雨量を雪に換算すると250cmの積雪。ポーラー・ロウに襲われれば、その規模の被害さえ起こりうるのです」