不正・事件・犯罪
猪瀬直樹という悲しく哀れな"傀儡"のダッチロールを歓迎する「石原利権」の構造
わずか100日ほど前 [Photo] Getty Images

 傲慢な"上から目線"で官僚を叩き、記者や編集者をなじってきた猪瀬直樹東京都知事が、今、悲しく哀れだ。
 5000万円問題に関する説明は、理屈に合わないどころか、子供にも通用しない陳腐さで、それを自覚しているから、目は泳ぎ、声は小さく、言葉がもつれる。

 ここでは、既に報道されている5000万円問題の法的倫理的責任ではなく、「ダッチロールを始めた猪瀬都知事を、都議会もゼネコンなどの業界も、密かに支えるつもりだ」(都議会関係者)という猪瀬都知事の奇妙な"立ち位置"について考えてみたい。

石原後継ではあるが利権は継承していない

 そもそも猪瀬都知事は、昨年11月、国政に戻る石原慎太郎前都知事の後継者として出馬を決めた。その時点で、「石原後継」ではあるが、石原利権の継承者ではなかった。
 この事実の確認が、まず必要になる。

 長い政界歴を誇る石原前都知事には、公共工事に関与、行政と業界を"調整"する2人の元秘書がいる。元副知事の浜渦武生と鹿島執行役員の栗原俊記。このコンビが、秋葉原再開発、大手町跡地再開発などで見せた手腕は、広く知られるところだ。

 ただ、剛腕が過ぎて、「都議会のドン」といわれる内田茂自民党都連幹事長と対立、丁々発止のケンカに発展したことがある。
 だが、そこは"大人の解決"を図り、現在、浜渦と内田は良好な関係をキープしている。

 一方、石原前都知事には、日常の陳情を捌き、細々とした利権の調整を行う秘書軍団がいた。兵藤隆前特別秘書、高井英樹前特別秘書らである。

 猪瀬選対は、彼らに元秘書で、石原前知事の長年のスポンサーである安原治富士住建元社長のグループ企業に勤めていた鈴木重雄富士ホームサービス前東京支店長が加わり、鈴木氏が選対事務局長となって戦い、430万票余りを獲得、圧勝した。

 鈴木氏について、私は本コラムで、「『石原後継』の証明? 猪瀬直樹都知事が特別秘書に起用した『石原秘書軍団』の一員とは」(2012年12月27日)と題して記事にした。
 富士ホームサービス東京支店長という職責は"預かり"で、実態は「石原都知事の庁外秘書」だった。

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