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ITトレンド・セレクト
2013年11月28日(木) 小林 雅一

米国の秘密情報を保護する法律は、今、どんな結果を招いているか?

〔PHOTO〕gettyimages

最近では、イラクでの米軍ヘリコプターによる一般市民・ジャーナリストへの乱射事件など、米政府にとって都合の悪い、多数の機密情報をウィキリークスに漏らしたブラッドリー・マニング一等兵(その後、性同一性障害などを理由に、今はチェルシー・マニングと名乗っている)が、軍事法廷でスパイ活動法を適用された結果、禁固35年の有罪判決を下された。

さらに直近では、米NSA(国家安全保障局)による世界的なインターネット監視・盗聴事件などを暴露したエドワード・スノーデン氏もスパイ活動法で起訴されている。またテロやスパイ活動とは無関係だが、NSAによる税金の無駄遣いを内部告発した職員もスパイ活動法で起訴されたという(ただし後に、この起訴は取り下げられ、同職員は無罪となった)。

今、日本で危惧されていることが、米国では既に現実化

以上のことから、米国のスパイ活動法は「国の安全保障を実現する」という本来の目的をいつの間にか逸脱し、米政府が自らに都合の悪いことを隠ぺいするための、「その場しのぎ(ad hoc)の悪法」になってしまった。そう、上記のNYT記事は見ている。また内部告発者やジャーナリストらも委縮してしまい、結果的に米国民の知る権利が損なわれた、とも分析している。

このように、日本の政府・与党関係者らが「特定秘密保護法案」の前例としてあげる諸外国の類似法、特に米国のスパイ活動法は、米国社会に深刻な悪影響をもたらしているようだ。つまり日本の特定秘密保護法案の反対者が恐れている事態が、米国では実際に起きている。

もちろん上記NYT記事が一方的な見方に終始していることは否めない。が、そこに書かれている事柄が、一種の真実を突いていることも、また否めない。要するに、テロ対策など安全保障を口実にして、スパイ活動法を乱発する米政府は、結局は自らに都合の悪い内部告発者の口封じをしたいだけなのではないか。そう見られても仕方がないだろう。

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