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ITトレンド・セレクト
2013年11月28日(木) 小林 雅一

米国の秘密情報を保護する法律は、今、どんな結果を招いているか?

〔PHOTO〕gettyimages

いつの間にか「内部告発者を取り締まるための法律」に

これを見るにあたって、たとえば以下のニューヨーク・タイムズ記事は非常に参考になる。

●"Blurred Line Between Espionage and Truth" The New York Times, February 26, 2012

この記事によれば、元々は敵国を利する悪質なスパイ活動などを取り締まるための法律だった米「スパイ活動法」は、近年、「米国政府が、メディアへの情報提供者、いわゆる『内部告発者(whistle blower)』を取り締まるための法律」へと、実質的に大きな変化を遂げたという。

その引き金となったのは、先のブッシュ政権時代、キューバの「グアンタナモ(Guantanamo)湾収容キャンプ」にテロリストとして収監された多数の容疑者が、「水攻め」のような拷問や、目を覆うような屈辱的虐待を受け、それがウィキリークスなどを経由して世界のメディアから報じられたことにある、という。

こうしたブッシュ政権の不当な行為を正し、政府活動の透明性を実現することを公約に掲げて選挙に勝った現オバマ大統領だが、実際に大統領に就任した後は、ブッシュ政権以上に内部告発者に神経を尖らせているという。

スパイ活動法ができた1917年からブッシュ政権の時代まで、メディアへの内部告発者を摘発するために同法が適用されたのは通算3回。ところがオバマ政権になってからは既に7回も適用されている(上のNYT記事には6回と書かれているが、この記事が公表されてから現在まで、もう1回適用されているので合計7回)。

これによる結果はひどいものだ。たとえばグアンタナモ収容所で拷問が行われていることを内部告発した某CIA職員が、スパイ活動法で起訴されたのに対し、そうした拷問を行った人たちは起訴を免れ無罪放免になった。

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