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米国の秘密情報を保護する法律は、今、どんな結果を招いているか?

小林 雅一 プロフィール
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〔PHOTO〕gettyimages

国家機密を漏らした公務員らに厳しい罰則を科す「特定秘密保護法案」が今週26日、日本の衆院を通過した。

この法案では、「防衛」「外交」「(スパイ活動など)特定有害活動」「テロ」など、「国の安全保障に著しい支障を与える恐れがある秘密情報」を漏らした公務員らに、最高で懲役10年の厳罰を科す。また秘密を聞き出した側にも、「脅迫」「教唆」「扇動」など何らかの不正行為が見られた場合、最高で懲役5年が科せられる。

同法案に関しては、保護されるべき特定秘密の定義が曖昧であること、また情報を有する公務員や情報を求めるジャーナリスト、一般市民らが厳罰に委縮してしまう恐れがあることなどから、結果的に政府に不都合な情報が全て隠ぺいされてしまうとの懸念が提起されている。このため多くの文化人や市民活動家、ジャーナリストらが反対活動を展開している。

「どの国にもあるから」では短絡的

これに対し、政府・与党の関係者らは「この種の法律は、欧米の先進諸国なら、どの国でも持っている。逆に、これが持てないようなら国の安全保障は成立しない」と反論している。実際、米、英、独、仏などはいずれも、国家機密を漏らした政府関係者・公務員らに対し、法律で厳しい罰則を科している。

最も厳しい米国では、一般的な情報漏えいに対し最高10年、外国のスパイや政府関係者らへの漏えいには死刑が科される場合もある。また英国やフランスでも、最高刑は10年以上と極めて重い。

しかし「他の先進国が持っているから、日本も持って当然」という論理はかなり短絡的だ。むしろ諸外国における類似の法律が、実際にどう運用され、それが各国の社会にどんな影響や結果をもたらしているか。これを知ることの方が、特定秘密保護法案の妥当性を検討する上で、より重要なことではなかろうか。

と言っても、あらゆる国の法制度を見比べることは現実的には難しいので、本稿では日本にとって最も関係が深い米国のケースに絞って見てみたい。

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