政治家にとっての公正・公平に左右されず、テレビはもっと世論を二分するような報道を!
〔PHOTO〕gettyimages

政治家にとって魅力的なメディア

どんな職業も同じだが、テレビの報道記者といっても一括りには出来ない。政治部に配属になり、大物代議士のところに挨拶に行き、「君もこれから画面に出る機会が増えるから、スーツでも買いたまえ」と商品券を渡され、懐柔を図られる若手もいれば、「テレビ屋は中立に徹しなければならない」と選挙にさえ一度も行かないベテランもいる。

記者がさまざまなのは新聞・雑誌も同じ。だが、テレビ報道には新聞・雑誌と決定的に違うところがある。まず、物議を醸した新経営委員の問題によって知らしめられた通り、NHKは政府・与党に首根っこを押さえられてしまっている。民放も免許事業で、銀行業や鉄道業と似た一面を持つ。

しかも政治家たちはテレビが大好きだ。

政治家はテレビを見るのが好きなわけではない。もっぱら出る側。古くは故・佐藤栄作首相が、1972年の退任会見で「新聞記者は出て行け。偏向している新聞は嫌いだ。私は直接国民に語りかけたい」と言い放ち、新聞記者を追い出したぐらい。確かに、政治家が自論を広めたり、あるいは自分自身のPRをするためには、テレビは格好の場だろう。

ナチスがラジオをプロパガンダの武器として最大限に活用したのは知られている通り。まさか現代社会にナチスのような発想を持つ政治家はいないだろうが、電波メディアを操ることが世論づくりに直結するのは、どんな時代であろうが同じ。

1960年にアメリカ大統領に就任した故ジョン・F・ケネディ氏が、「テレビ時代の申し子」と呼ばれたのもご存知の通りだ。テレビを活用して、ライバルを駆逐した。ネットが台頭したことで、テレビの役割は大きく変わりつつあるが、それでも政治家にとっては魅力的なメディアであろう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら