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スクープ入手! 2013年版警視庁「天下り」リスト みずほFG 東京電力 マクドナルド 野村證券 西松建設 ほか 有名企業、問題企業がズラリ

退職後にどう生計を立てるか、誰もが頭を悩ますなか、いまだに人事課が再就職を斡旋する役所があるというから驚く。警視庁である。しかも天下る先は有名企業ばかり。なぜこんなに優遇されるのか。

仕事は特にない

〈みずほフィナンシャルグループ 上席審議役〉
〈東京電力 部長〉
〈住友不動産 嘱託〉
〈野村證券 参与〉
〈日本マクドナルド 法務部顧問〉

A4判4枚の資料には、超有名企業の名前と役職名がズラリと並んでいる。その数、実に59名。

〈再就職状況の公表について〉と題されたこの資料こそ、警視庁幹部の最新「天下りリスト」である。平成24年4月1日から25年3月31日までの1年間に、警視庁を退職した幹部の再就職先が記されている。リストにある企業名を、もう少し挙げてみよう。

〈住友商事〉〈三菱東京UFJ銀行〉〈雪印メグミルク〉〈ヤナセ〉〈日本ケンタッキー・フライド・チキン〉〈パイオニア〉〈東レ〉〈日本通運〉〈昭和シェル石油〉〈KDDI〉〈日本生命〉〈西松建設〉〈森ビル〉……錚々たるラインナップである。

資料の作成元を示す右上の欄には、〈人事第一課〉と記されている。

自身も退職後大手企業に再就職したという、警視庁元幹部が語る。

「警務部人事第一課は約200人の職員が所属する部署。幹部の人事を司るとともに、問題があるとされる警察官の素行調査などを行い、内部でも恐れられている。そして、彼らのもうひとつの重要な仕事が、幹部職員の再就職を世話することなのです」

不思議なのは、近年では規制が強まり、公務員の天下りは厳しく取り締まられているはず。なぜ、警視庁ではこうした人事課主導の大々的な天下りがまかり通っているのか。

「確かに、国家公務員の天下りに関してはずいぶん厳しくなりました。しかし、警視庁は霞が関にありながら、実は東京都の組織。そのため、盲点となってマスコミの批判を受けることもなく、今も天下りし放題なのです」(全国紙社会部記者)

事実、この資料は警視庁本部庁舎内の情報公開センター内で、一定の手続きを踏めば閲覧・複写することができる。しかし、事実上そうした知識をもつ一般人は皆無であり、この「天下りリスト」は誰の目にも触れることなく、閲覧期限を迎えてひっそりと処分されてゆくのである。

今回本誌は、リストに載っている56の企業・団体全てに取材を申請した(リストの抜粋と取材結果の詳細は53ページに掲載)。その中で直接の取材に応じた警視庁OBが一人だけいた。元捜査第三課長で、現在は公益財団法人・暴力団追放運動推進都民センター事務局長を務める竹野哲弘氏だ。

「普段は相談を受けたり、講演や協議会に出かけて挨拶したりしています。任期はだいたい5年。警視庁の退職者を受け入れる体制は、もちろんありますよ。次もまた誰か来るでしょう。

うちは暴力団を相手にする組織ですから、知識のない人が来てもどうしようもないんですよ。とはいえ、私も出身は三課(註・盗犯担当)ですけどね。人事一課から通知が来たら、言われたところに行くしかないんです」

この竹野氏の証言は、天下りが人事第一課主導であることを裏付けている。

また少数ではあるが、他の企業・団体から寄せられた言い分も見てみると、

「警察官としての知見、経験を活用するために採用している」(かんぽ生命保険)
「リスク管理についてのアドバイザーとして雇用している」(東レ)
「これまでの経験を活かして、活躍が期待できる方を採用しています」(三井住友海上)

つまり、あくまで企業にとって必要な人材だったから採用したと回答する。

しかし、実態は全く違うようだ。現在、ある銀行に天下っている警視庁OBが明かす。

「一応は、コンプライアンス問題や、反社会的勢力への対応が私の主な職務ということになっています。ですがこれまで2年間在籍して、仕事はほとんどありませんでした。そもそも社内には専門の担当者がいるので、私の出番はないんです。

昼間は会社の近所をぶらつき、午後はもっぱら肉体鍛練という日々です。ただ、私の職務は『万が一に備える』ことなので、仕事がないのは『万が一』がなかったということ。だからタダ飯食いという意識はないし、天下りという意識も全くありません」

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