本当に景気はよくなっているのか? アベノミクスの成功の鍵を握るのは「賃金」である!
[Photo]Getty Images

あと4ヵ月後の来年4月には、消費税が5%から8%に上がる。この増税が景気を冷やし、アベノミクスの先行きを危うくすることはないのか。東京にいて大企業の話ばかり聞いていると、そのような心配は無用ということになる。

しかし、中小企業の実態を見たり、地方を視察してみると、話が全く違う。景気がよくなっているという実感がないのである。

経済対策が効くという観測は楽観的にすぎる

11月24日の朝日新聞は、全国主要100社の景気アンケートを掲載している。それによれば、国内景気がよくなっているという回答が89社にのぼっている。

また、増えた利益の使途(9項目から3項目を優先順位つきで選択)については、最多が「設備投資」(53社)、次いで「従業員への還元」(52社)であり、「内部留保」は11社のみである。

このような回答が今後とも増えていけば、景気は順調に回復していくと考えてよいことになる。しかし、本当に「内部留保」よりも「従業員への還元」に利益が使われるのであろうか。賃上げについては、ボーナスなどの「一時金を上げることを検討する」が12社あったものの、「ベアを検討する」は4社のみである。主要100社でさえそうであれば、中小企業の状態は推して知るべしと言えよう。

アベノミクスの成功の鍵を握るのは、賃金である。給料が上がらないまま、消費税が上がれば、家計としては、消費を切り詰めるしかなくなる。自分の使うお金は、誰かの収入になる。日本のGDP500兆円の6割の300兆円が個人消費である。3%の消費税増税は、それに見合った賃金の上昇を伴わないかぎり、消費に冷や水を浴びせかけることになる。

上記の100社アンケートでは、76社が消費税増税を「許容できる範囲」と答えている。その理由として、5兆円の経済対策が効くからだという。しかし、そのような観測は楽観的にすぎるのではあるまいか。中小企業や地方を対象にして調査をしてみると、おそらくは全く異なる回答が寄せられるのではあるまいか。

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