不可避のイノベーションが大学教育のすべてを変える---変革動因としてのオンライン教育
『現代ビジネスブレイブ グローバルマガジン』---「ニューヨークタイムズ・セレクション」より
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蒸気船の「破壊的イノベーション」

1807年に、商業的に初めて成功した蒸気船がハドソン川を運航した時、それが大洋を横断する帆船にとって大した脅威になるとは見えなかった。

蒸気船は料金が高く、信頼性が低く、おまけに遠くまで行けなかった。船乗りたちは、いつの日か蒸気技術を使った船で、大洋横断ができるようになるという考えを一蹴し、広大な大西洋を渡るには、帆船が必要だと確信した。そのため、蒸気動力は風に逆らったり、無風状態で進む力が重要な、内陸の水路における「破壊的イノベーション」としての基盤を固めることとなった。

技術は大きく進歩し、1819年にS.S.サヴァンナは、蒸気と帆の両方の動力を使って、はじめて大西洋を横断した(実は、全行程633時間の航海で、蒸気が使われたのは、わずか80時間だった)。帆船会社は、この技術進歩を完全に無視したわけではなかった。これらの会社は、帆船に蒸気エンジンをつけたハイブリッド船を造った。しかし100%蒸気船の市場に参入することはなく、不幸なことに、この決定のために大きな代償を払うことになった。

1900年代の初頭には、蒸気だけを使った船による、風力よりずっと速い大洋横断が可能になり、客は蒸気船へと移っていった。そして、大洋横断の帆船会社はことごとく姿を消した。

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