イスラム国家に大きな衝撃を与えた「性の聖戦」問題とは

Mag14・com(チュニジア)より

2013年11月24日(日)

チュニジアで「性のジハード(聖戦)」と呼ばれる行為が、大きな論争を巻き起こしている。

「性の聖戦」とは、イスラム兵士のいわば「慰安婦」として、女性が従軍すること。現在は、多数のチュニジア人女性が内戦の続くシリアに渡航し、反体制派として戦うイスラム過激派兵士の慰安婦になっているという。

「妊娠させられて帰国する慰安婦もいる」などといった情報がSNSサイトなどに寄せられて問題化していたが、9月には同国の内務大臣が国会で「性の聖戦」の存在を認める声明を発表。「彼女たちは、一人で20~30人、多い人の場合は100人の武装勢力メンバーと性的関係を持つこともある」と語って、国民に衝撃を与えた。

イスラム教は、女性が配偶者以外の不特定多数の男性と性的関係を持つことを禁じている。しかし、一部のイスラム原理主義の指導者や法学者は、「性の聖戦」に限ってはそうした行為が認められると主張している。

それに対し、チュニジアの与党・イスラム穏健派アンナハダ党の議員らは、「性の聖戦」は国家として恥ずべき行為だと非難。妊娠して帰国した女性に対しても、シングルマザーに対する従来の政策同様、保護や援助を一切しない方針を発表している。

論争は過熱する一方だが、実際に「性の聖戦」に加わっている女性の人数については、いまのところ不明だ。少なくとも数十人と推定されるが、数百人規模に上るという説もある。

政府によると、現在は空港での監視体制を強化中であり、今年3月以降だけで、約6000人のチュニジア人男女のシリア渡航を阻止したという。さらに「性の聖戦」を背後で組織したグループのメンバーを多数逮捕したとも発表している。

 

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