「オーガニック」のイメージとは裏腹に…
遺伝子組み換えの〝最前線〟と化したハワイ

ニューヨーク・タイムズ(USA)より

2013年11月23日(土)
カウアイ島で研究を行うデュポンパイオニア社〔PHOTO〕gettyimages

豊かな自然を誇るハワイの島々がいま、世界有数の遺伝子組み換え作物の開発拠点となっている。モンサント、デュポンパイオニア、シンジェンタ、ダウケミカル、BASFといった世界の名だたるバイオ企業がハワイに進出しており、同州の農地約1100km2の約1割を彼らの用地が占めているという。

これらの企業がハワイを拠点に選ぶ主な理由は温暖な気候だ。新しい品種を作るには数世代にわたって交配する必要があるが、ハワイでは年3回の収穫が可能なため、品種改良を迅速に進めることができる。

「通常なら13年かかるところを、ハワイなら7年でできるんです」とデュポンパイオニア社の研究者、ライアン・オヤマは語る。

また、ハワイでバイオ企業の事業が急拡大した背景には、サトウキビやパイナップルといったハワイの伝統的な農作物が低価格の外国勢に押されて衰退し、土地の使い道を州が模索したことがある。

ニューヨーク・タイムズ(USA)より

「ガーデン・アイランド」と呼ばれるほど自然あふれるカウアイ島は、近年、特に重要な拠点となっており、ハワイに設けられた開発拠点の約半分がこの島にある。

だが、地元の高校では生徒が農薬散布によると思われる異臭や体調不良を訴える騒ぎがあったほか、この地域では喘息や癌、先天性障害の発生率が異常に高いとする医師の報告もある。

企業側は、バイオ産業が地域経済に2億6400万ドル(約264億円)をもたらし、1400人分の雇用を生んでいると主張するが、地元の反発は根強い。同産業は地域経済に欠かせないという擁護派と、規制を求める反対派との対立は日々深まっている。

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