「講座: ビジネスに役立つ世界経済」
【第26回】 イエレン新体制を意識したFRBの動き

〔PHOTO〕gettyimages

「ポストバーナンキ体制」に向けての準備

世界的に株価が上昇基調に転じつつある。そのきっかけは、やはり、米国での出口政策先送り見通しの台頭であったと思われる。特に、次期FRB議長が内定しているジャネット・イエレン女史が、従来以上に雇用の回復を重視し、雇用に明確な回復の兆しが見えてこない限り現状の緩和を当面継続すると明言したことが、「流動性相場」継続の安心感を投資家に与えたのだろう。

2013年10月時点の米国の完全失業率は7.3%。直近のピークである2009年10月の10.0%から比較的順調に回復したといえる。ただ、FRBが量的緩和政策(QE)を解除させる1つの基準とする完全失業率の水準は6.5%程度と推測されるので、あと0.8%pt程度の低下が必要である(一時は、QE解除の基準は7%程度に引き上げられたという憶測が市場で流れたので、「FRBの出口が早い」という話が急速に台頭したと思われる)。

イエレン新FRB議長は雇用の改善をバーナンキ現議長以上に重視するとの見方が市場に広がっていることから、QEの出口の実施(Tapering)は先送りされるだろうとの見方が出ているのだが、米国のエコノミストを含む市場関係者は目先の経済指標で「右往左往」する度合いがリーマンショック後に特に強まっているようなので、個人的には、あまり「市場関係者(エコノミストを含む)」の見方を間に受けないほうが良いと思う。

このようなある意味ナンセンスな市場の動きをよそに、FRB内部では、「ポストバーナンキ体制」に向けた準備が着々となされているように思える。

振り返ってみると、バーナンキ議長もFRBの金融政策の在り方をグリーンスパン時代のグリーンスパン氏個人の資質に大きく依存する政策運営から、(自身を含む)アカデミズムの研究成果を取り入れた「科学的な」金融政策運営に変えてきたと考えられるが、イエレン新議長は、それをさらに推進していくのではないだろうか。

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