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ITトレンド・セレクト
2013年11月21日(木) 小林 雅一

原発の事故現場など、危険な環境下で作業する汎用ロボットの競技会まで間近

もう一つの懸念は、こうした災害対策ロボットが、今後、原子力発電所の再稼働や新設を支持する材料に使われるかもしれないことだ。アメリカは基本的に原発推進国と見ていいだろう。そこで作られたロボットが、原発事故の現場で、人に代わって作業してくれるのは確かに有難い。人が作業すれば廃炉まで何十年もかかると言われる中、どれほど危険な環境下でも働ける汎用ロボットを投入すれば、その期間が何十分の一にまで短縮するかもしれない。

が、だからと言って、今後、原発を再稼働したり、建設したりしていい、ということにはならない。ロボットにやれることは事故処理だけだ。より本質的な問題である核廃棄物はほぼ永久に残る。両者は別問題として考えなければいけない。核廃棄物の最終処分場に名乗りを上げる自治体は、日本ではまず現れないだろう。改めて断るまでもなく、原発のビジネス・モデルは根本的に破たんしている。

人類はいつの日か、原子力エネルギーを自在かつ安全に扱える次世代技術を開発できるのか? 仮にできるとしても、途方もない年月がかかると予想される。少なくとも、それまで原子力エネルギーの実用化は封印されるべきだ。AIロボットは人類が犯した過ちを是正されるために使われるのであって、原発を推進するための言い訳にされてはならない。

 

著者: 小林雅一
クラウドからAIへ アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場
(朝日新聞出版、税込み819円)
秘書のように問いかけに応えるスマホ、自動運転車、ビッグデータ---。時代を読み解くキーワードは「クラウド」から「AI=人工知能」へ。人間が機械に合わせる時代から、機械が人間に合わせる時代が到来しつつある。IT、家電、自動車など各業界のAI開発競争の裏側を描きつつ、その可能性と未来に迫る。

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