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ITトレンド・セレクト
2013年11月21日(木) 小林 雅一

原発の事故現場など、危険な環境下で作業する汎用ロボットの競技会まで間近

今回、出場15チームは基本的に2つのグループに分けられる。1つ目のグループは「トラックA」と呼ばれ、ここにエントリーされた6チームは自分達でロボットのハードウエアとソフトウエア(AI)の両方を開発する。

2つ目のグループは「トラックB」と呼ばれ、ここにエントリーされた9チームにはDARPAからロボットのハードウエアが貸与される。つまりトラックBの各チームは、この与えられたロボット(ハード)の上に、自主開発したソフトウエア、つまりロボットの頭脳に当たるAI(人工知能)を搭載するのだ。

日本から出場する2チームのうち、東大からスピンアウトした「SHAFT」はトラックAに、また「Team K」と呼ばれる謎の開発チームは、今年6月の予選を経て、米Case Western大学チームと合流してトラックBにエントリーしている。

トラックA、BにエントリーされたチームにはDARPAから開発支援金が支給されるが、他にも全くの自己資金で出場することもでき、こうしたチームはトラックC、Dにエントリーされる。従って、来月の中間競技会には最終的に15チーム以上が参加する可能性もある。

初回競技会の成果は期待薄

トラックBのチームに貸与されるロボット(ハードウエア)は、米Boston Dynamics社が開発した「アトラス(Atlas)」だ。同社は米国防省が出資して設立したロボット・メーカーなので、基本的には軍需企業と見てよいだろう。今回、彼らが作ったアトラスは身長180センチ以上、体重は優に150キロを超える大型ヒューマノイドだ。

アトラスは(AIを搭載する以前から)既に現時点でも、狭い両壁に両手両足を突き立てて身体を浮かせたり、階段からジャンプして降りることができるなど、かなり高度な運動能力を備えている。が、その一方で、かなりの巨体故に、うっかり転倒すると壊れたり、周囲の人間に怪我をさせる恐れがある。

このため現在、アトラスを動かす時には、その身体にワイヤーが接続され、人間がこれをしっかり掴んで、倒れないようにサポートしている。つまり、中間競技会の直前だというのに、結構、危なっかしいところが残されているのだ。

そこに搭載されるAIの、今後の開発次第だが、来月、開催される中間競技会の成果については、あまり大きな期待は抱かない方がいいようだ。つまり前述した7つの課題を楽々とこなせるような、高度汎用ロボットが登場する可能性は(少なくとも今回の競技会では)極めて小さいと見られている。

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