原発の事故現場など、危険な環境下で作業する汎用ロボットの競技会まで間近

DRCのトップページより

世界初となる災害対策ロボットの競技会「DARPA Robotics Challenge(DRC)」が、開催まであと1ヵ月と迫った。

DRCは、米DARPA(国防高等研究計画局)が主催する、極めて高度な次世代ロボットの開発コンテストだ。そのきっかけは、福島第一原発の事故にあるとされ、放射能汚染など人間には危険過ぎる環境下で、人間に代わって事故処理を行うロボットの開発を目指している。

当初の計画は昨年10月に発表され、ここに米国を中心に世界8ヵ国から26の研究・開発チームがエントリーした。今年6月の、シミュレーション・ソフトを使った予選を経て、来月の中間競技会(本物のロボットを使った競技会)には15チームが出場する(日本からは東京大学情報理工学系研究科・情報システム工学研究室からスピンアウトしたSCHAFT社など2チームが出場する)。ここで、さらに絞り込まれた数チームが、2014年12月に開催される最終競技会に駒を進める予定だ。優勝チームには賞金200万ドル(約2億円)が授与される。

劣悪な環境でも作業できる実践的ロボットを開発

DRCが目指すのは、高度なAI(人工知能)を搭載した汎用・自律型ロボットの開発だ。こうした特徴は専門用語では「Supervised Autonomy(指揮下での自律性)」と呼ばれるが、もっと平たい言葉で言うと、「人間が簡単な命令を下すだけで、あとはロボットが自分で判断して仕事をしてくれる」という意味だ。

DRCが、こうした高度な汎用ロボットの開発を目指すのは、福島第一原発での教訓に基づいていると言われる。当時、事故現場には国内外から複数の災害対策ロボットが投入されたが、これらロボットの操作には専門の知識・技能が必要とされ、現場の作業員がこれに習熟するまで相当の時間を奪われた。さらに原発建屋の厚い壁によって、ロボットを遠隔操作するための電波が遮られて、思うように操作するのが非常に困難であったとされる。

この問題を解決するには、ロボットに自律的な能力を持たせるしかない。つまり人間が予めロボットに基本的な命令を下した後には、ロボットが事故現場の状況に自分で対応して仕事してくれる、ということだ。たとえば来月の中間競技会では、参加各チームのロボットには次のような課題が与えられる:

①(ロボットが)自分で車を運転して事故現場に辿り着く。
② 現場に散乱した瓦礫などを踏み越え、必要とあれば、それらを押しのけて移動する。
③ 原発建屋のドアを開けて中に入る。
④ 屋内の階段で2階に上り、そこにある通路を移動して作業現場に赴く。
⑤ 道具を使ってコンクリートの壁を壊す。
⑥ ひび割れなどを起こしているパイプを見つけ、その元栓を閉める。
⑦ 故障した装置の部品を交換する。

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