古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン動画版Vol.010
「原発問題:「国が前面に出る」とはどういう意味か」ほか

近年の異常気象は「ニュー・ノーマル」

古賀: 最近は、台風が何回も来て、またこれからも続々と来そうな感じなので、それも気がかりです。

(略)

今年の夏は、大雨とか、それから突風、竜巻、そんなものがたくさん起きています。過去、だいたい明治時代からの歴史を塗り替えるような、史上最高の大雨とか、史上最高の突風とか、いろいろありました。

Gbiz: 気温もそうでしたね。

古賀: 気温もね、異常高温とか、そういうのもあって、異常気象、異常気象と盛んに言われるわけですね。ただ、「異常」と言っているとなかなか対応方法がない。要するに、自分たちの考えも及ばないことが起きますよと言われちゃうと、なかなか対応するのが難しくなるんですけれども、私は、この「異常」という言葉はやめたほうがいいんじゃないかと思っています。むしろ、これからはこういうのが「通常」であるというふうに考えたほうがいい。

経済では「ニュー・ノーマル」という言葉を使うんですが、いままでの秩序から見た「普通」の状態ではない、そこから外れた、ですから英語で言えば「アブノーマル」な世界というのが、でも、もう新しくノーマルな世界になっちゃったんだよ、というように意識を切り替えたほうがいいと思うんです。

いままではよく、異常気象とか、「想定外のことが起きました」と言われていたんですけれども、それはだいたい記録があるところで比べているんですね。ですから明治以降、明治の後半以降と言ったほうがいいかもしれないんですけれども、史上最高というときはですね。じゃあ江戸時代より前はどうだったのかと。これはいまの近代科学とはちょっと隔絶されているので、なかなか正確な比較はできないものですから、どうもわれわれの思考の中から抜け落ちているんです。

(略)

近代以降、人間は科学技術で自然を克服するんだ、コンクリートと鉄でそれを管理していくんだ、という方向でずっとやって来たんですね。だけど、それは本当に、ここ100年、200年の間にある程度のことを成し遂げましたというだけの話で、もっと長い目で見たら、そんなちっちゃなことをやったところで、結局は、その努力を凌ぐような、もっともっと大きな力が自然にはあるんですよということを、いま、われわれは教えられているんだと。これからはそれが「普通」なんだというように、考え方を変えていった方がいいんじゃないかなというふうに思いました。

原発問題:「国が前面に出る」とはどういう意味か

古賀: (略)何で国が前面に出るのと言うかというと、結局は東電を破綻させないためには、東電に無尽蔵にお金を注ぎ込むしかないと。そのお金はどこから出てくるかというと、もちろん国民の税金か料金負担しかないということで、それをこれからどんどんやりますよという宣言みたいなものなんですね。

税金をどんどん入れますと正直に言うと、みんなが「なんだって!?」となるので、そうは言わないで、「東電に任せてはいられません。国が前面に出ます」と。前面に出るというのは、別に公務員が現場に行って何かするのではなくて、お金を出すということです。

お金の出し方というのもいろいろあるんです。損害賠償については損害賠償機構というのを新しくつくって、そこに税金を投入するという仕組みができているんですが、これは損害賠償の話ですね。その他に除染の費用。これから何兆円かかるかわからないと言われていますが、この除染費用もとりあえずは国と自治体が立て替えてやっているわけですね。

それを本当は東電に請求しなくてはいけないんですが、これがまだそんなにちゃんと請求されていない。実際の支払い額もあまり巨額にはなっていないという、そういう状況にある。けれども、たぶんこれも東電に全部請求すると大変なことになるので、ゆくゆくは「国の税金でやりましょう」ということになっていくんだと思います。

さらに、最近非常に気になるのは、廃炉についての費用です。これも国で出しましょうかという話と、それから電気料金で負担させようかと、この二つの話が進んでいまして。