上阪徹の"ブックライター"式文章法【第三回】
「書く」仕事は、遠くにあるわけではない!? 「ブックライター」という職業がある

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【第2回】はこちらをご覧ください。

「なんだ文章って、そんなものだったのか」「そんなやり方でも、文章で食えてしまうのか」……。2回の連載で、もしかしたら、こんなふうに思われた方も多いかもしれない。しかし、実際のところ、そうだと私は思っている。世の中の人が思っているほど、文章を書く仕事に文章力は必要ない。むしろ必要なのは、文章の「素材」に反応できる力だと思っている。つまり、それがある人は、文章を書く仕事のかなり近くにいる、ということだ。

著者の持っている「ファクト」を引き出し、本にする仕事

雑誌やネットメディアでたくさんの著名人にインタビューさせてもらい、文章にする仕事を続けてきた私だが、近年は仕事の中心が大きくシフトしてきている。それが、書籍の制作だ。実際、私はここ数年、ほとんど毎月1冊、本を書いている。自分の本も含まれるが、それは年に3冊ほど。その他は、他の著者の本の制作を代行して書いているのだ。

中心になっているのは、ビジネス書やノンフィクションなど。小説などの文芸や、作家性のあるノンフィクション、さらには専門書を除く本、と書いたほうがわかりやすいかもしれない。多くの場合、10数時間じっくりとインタビューをし、本の形に仕上げていく。著者の持っている「ファクト」を引き出す仕事であり、嘘や過剰演出されたストーリーを書くことはない。

ありがたいことに著名な方々の本をたくさんお手伝いしてきた。幸いにもヒットした本も少なくない。5万部以上が10冊以上あり、10万部を超えるもの、中には30万部を超えた本もある。報酬は基本的に印税なので、売れれば売れただけ、私の収入も増える。