毎日フォーラム~毎日新聞社

国交省の新たな規制が業界に衝撃
「脱法ハウス」取り締まりの余波2000棟が「不適格」?[シェアハウス]

2013年11月17日(日) 毎日フォーラム
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最新のシェアハウスを見学しながら議論を交わす「日本シェアハウス・ゲストハウス連盟」の関係者ら=東京都荒川区で4月23日

他人同士が同じ家に集まって住む「シェアハウス」を巡り、国土交通省が打ち出した事実上の規制策が業界関係者に衝撃を与えている。極端に狭く火災時の危険性が高い「脱法ハウス」に対する取り締まりの余波が、安全性にも一定の配慮がなされた「普通のシェアハウス」にまで広がった形で、今後、2000棟以上が「不適合」とされる可能性も出てきた。

9月6日に国交省が全国の自治体に出した通知文は「事業者が入居者の募集を行い、自ら管理する建築物の全部または一部に複数の者を居住させているケース」について建築基準法上の「寄宿舎」の基準を適用して指導するよう要請。さらに、「改修の有無に関係なく適用を」と念押しした。

つまり、事務所や倉庫などと称して2~3畳程度の細かく仕切った部屋に住まわせる「脱法ハウス」にとどまらず、例えば、4LDKの一戸建て住宅を間仕切り変更しないまま4人用のシェアハウスとしたようなケースでも「寄宿舎」と認定されることになったのだ。

では、寄宿舎にはどのようなハードルが課されるのか。居室に採光窓を設けなければならないのは一般住宅も寄宿舎も同じ(事務所などは不要)。ただ、建築基準法の施行令は、学校や病院、旅館などと同じく寄宿舎も「防火上主要な間仕切り壁を準耐火構造とし、天井裏に達するようにしなければならない」としており、「主要な間仕切り壁」の解釈を定めた日本建築行政会議のガイドラインは「3室以下かつ100平方メートル以下」の空間を一つの区画とみなし、隣の区画や廊下と隔てる壁の防火性能を上げなければならないとしている。

準耐火壁は火災発生から45分~1時間は変形や破損をしないことが求められ、木材などの表面に一定の厚さの石こうボードを張るのが一般的で、普通の住宅に導入されているケースは少ない。さらに寄宿舎には「廊下幅」「避難階段」「非常用照明」などに関する規定もあり、あるシェアハウス運営業者は「7部屋ほどの一戸建てを改修するのに500万~600万円はかかる」と試算した。

次ページ 東京都内ではさらに難題がある。…
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