現代新書
「転職=キャリアアップ」という考えは間違いです
『20代のための「キャリア」と「仕事」入門』著者・塩野誠氏

「ブラック企業」「ホワイト企業」への違和感

大学卒業者のうち、今や約4割もの人たちが無職や非正規雇用の状態に置かれている。これまで、高校や大学を出て新卒で一斉に就職し、そのまま定年までその会社で働き続けるといった「普通の働き方」が「普通」でなくなった今、仕事やキャリアについて若いうちから考えておく必要があるのではないか―。12月の就活解禁を前に、このたび『20代のための「キャリア」と「仕事」入門』(講談社現代新書)を刊行した著者・塩野誠さんに、話を聞いた。

何かズレている「人気企業ランキング」

「働き方について、建前論やきれいごとではなく、本音で考えようというのが、この本の目的」(塩野氏)という

――東洋経済オンラインで現在「キャリア相談:君の仕事に明日はあるか?」を連載中の塩野さんですが、なぜ今回、あらためて20代の若い人向けにキャリアや仕事に関する本を執筆したのでしょうか?

塩野 学生のみなさんにとっても、若手社員のみなさんにとっても、これだけネットを介して情報へのアクセスが容易になったのに、それでも社会に出て働いている人間からすると「ずいぶん情報格差があるな」という思いを以前から抱いていました。

 たとえば、毎年雑誌に掲載される学生による人気企業ランキングは、ビジネスの真ん中にいる人間からすれば、結構ズレを感じるネタだと思います。また、私は大学などから呼ばれて講演する機会があるのですが、最近でいえば「あの企業はブラックだから」「ホワイトだから」とうわべだけの情報を見て安易にレッテルを貼る学生が多いことへの違和感もありました。

 本来、就活生が自由に物事を考え、やりたいと思う仕事や仕事ができるチャンスに向けて準備をしていくと、それはみなさんにとっての選択肢となっていきます。みなさんの選択肢が広がれば広がるほど、その中で楽しいと思える仕事に出会える可能性は増えるはずです。それなのに、詳細に企業や業種について調べるとか、本当に自分の興味のあることについて深く考えることもせず、「ブラック」とか「ホワイト」といった思い込みにとらわれていては、自らの職業選択の自由を狭めることになりかねないからです。

 そこで、私自身が就活の時や社会に出たばかりのころに「知っておきたかった」ことを中心に、20代のみなさんに向けて「これくらいは知っておいたほうがいいよ」といった、社会に出てからの「常識」をまとめてお伝えできればと思ったのが、執筆のきっかけです。

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