データを社会に活かすためのヒント
『データを紡いで社会につなぐ』著者・渡邉英徳氏インタビュー

渡邉 英徳
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 そのあと、その方がいろいろな方面に声をかけてくださったのです。これまでにないかたちのアーカイブだと、感じてくださったのだと思います。そういうふうに理解していただいていて、協力者が徐々に集まってくれるということです。

ナガサキ・アーカイブ

――「何をつくるのか」というイメージを共有してもらうのが大事だということですね。

渡邉 はい。そうです。

 もうひとつは、「役割」ということです。

 僕の関わってきたデジタルアーカイブには、それぞれ、長年、資料収集や研究にあたってこられた方がおおぜいいらっしゃいます。僕は、その資料を幅広い人々に見てもらったり、後世に伝えたりする手伝いのつもりでいます。あくまで技術と設計の担当で、その役割をはっきりさせておくことも大事です。

 3つ目に心がけているのは、深い議論には持っていかないことです。

――「深い議論に持っていかない」というのは?

渡邉 昔のできごとについての資料には、さまざまな解釈が生まれます。たとえば、被爆者のAさんの証言についても、いくつもの解釈が可能です。異なる意見同士は、衝突することもあります。でも、地図に載せる、という行為はそういうしがらみから解き放たれています。先ほど「ポストイットをペタペタ貼っていく」といいましたが、この手法なら、資料の順番づけで生じる意味とも無縁です。そういったことや、背景の地図との関係は、見る人が自分で読み解いていくことなのです。

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