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視聴率ヒトケタ目前木村拓哉『安堂ロイド』に死す!なぜ大人の男はキムタクが苦手なのか
週刊現代 プロフィール

キムタク、『安堂ロイド』に死す—そんな声も、テレビ業界からは聞こえてくる。かつて「視聴率男」の名をほしいままにしたキムタクは、なぜこんなことになってしまったのか。高倉健や田中健など多くの名優を見てきた、映画評論家の白井佳夫氏は言う。

「大人の役者に脱皮していくには、どんな『作品』に出るかが大きい。これまで多くの役者が作品の中でイメージチェンジを成功させ、成長していっている。田中健さんにしても、デビュー当時は若さと顔の造形の美しさを売りにしていた。しかし斎藤耕一監督の『望郷』という映画に父親役で出演して、がらっとイメージが変わりました。その後はご存知のとおりです。

その点、デビューからずっとアイドルで来ている人はなかなか脱皮するのが難しい。キムタクのようにSMAPのなかですら、常に二枚目としての役割を求められていると、なおさらでしょう。実際、他のメンバーはみんなイメージチェンジに挑んできたのに、彼だけは昔のまま。だから成長できず、どんなドラマを見ても『相変わらず青春ドラマをやっているな』としか思えない」

本人も自覚しているはず

キムタクは二枚目キャラであることを、ずっと義務付けられてきた。

「総理大臣、検事、レーサー、様々な役を演じてきましたが、どんな職業になろうとキムタクはいつでもキムタクでしかないんです。普段は力が抜けているけど、本当は正義感の強いイケメン独身男が、ヒロインと恋に落ち、最終話でキスをする。キムタクのドラマは全部同じ作り。当然、『安堂ロイド』もそうなるでしょう」(民放ドラマディレクター)

しかし、それはキムタクだけの責任ではないと指摘するのは、元ジャニーズ事務所所属の作家・平本淳也氏だ。

「木村自身は、いつまでもアイドルでいられるなんて思っていませんよ。しかしテレビ業界は、彼を『キムタク』としてしか扱わない。木村拓哉を起用し、ラブストーリーを撮れば、それだけで成功してきた。一度ヒットすれば何度も同じことをさせるのがテレビ業界ですから、彼にはいつも同じようなキャラクターの役柄しか回ってこないんです。

同じ美男役者でいえば、田村正和さんなどは40歳を過ぎてからは父親役や先生役に挑戦して、演技の幅を広げていた。しかしテレビ局は木村にその挑戦を許してくれないんです。木村は求められているものを演じているだけとも言えます」

TBSがせっかく『半沢直樹』で得た成功体験をいかさず、『安堂ロイド』を相変わらずのキムタクありきのドラマにしてしまったのも、旧態依然としたテレビ業界に原因がある。前出のTBS幹部が言う。

「タレントの名前だけで視聴率が獲れていた、'80~'90年代をいまだに引きずっている。これはうちの局だけでなく、他局も同じです。その時代に、局はジャニーズをはじめとした大手事務所に大きな借りをつくってしまった。そのため、いまだに気を使って起用しないわけにはいかない。