スペシャルインタビュー ドラフト1位だけに見える「超一流」の世界 森友哉(大阪桐蔭→西武) 松井裕樹のスライダーと藤浪晋太郎の直球を語る

取材・文柳川悠二

即戦力投手に注目が集まった今年のドラフトで、1巡目に指名を受けた唯一の野手である。攻守に評価の高い逸材はバッテリーを組んだ藤浪を始め、大谷、松井ら、超一流の投球に何を感じていたのか。

中村剛也のようになれるのか

埼玉西武ライオンズに1位指名された大阪桐蔭・森友哉(18歳)を訪ねたのは、ドラフトの5日後だった。

大阪府大東市、生駒山の頂上付近にある同校野球部グラウンド。運命の日が無事に終わり、西武の指名挨拶や関係者へのお礼回りも済ませたという森はこの日、全体練習がないにもかかわらず、寒風舞うグラウンドで自主トレーニングに励んでいた。

短いダッシュを繰り返して下半身を、腹筋や背筋で上半身をいじめると、室内練習場に移動してウエイトトレーニングに取り組む。

「ダイエットしているんです(笑)。ちょっとでも練習しないと、太りやすい体質で。雨さえ降らなければ日曜と月曜以外の週5日、身体を動かしています。これからがほんまの勝負やと思っています。今の僕には技術的、精神的なもの、プロで戦ううえですべてが足りていない。今まで以上に練習しないと」

部活動引退後、一度太った身体は以前の引き締まった状態に戻りつつある。

西武では中村剛也や今季打点王に輝いた浅村栄斗という大阪桐蔭の先輩が成功を収めている。そのため、もともとは阪神ファンの森だが、西武にも好印象を抱いていた。すでに森の目線はプロ入り後に向いている。

「常に粘っこい、強いチームだと思います。捕手を育てることにも定評がある。ドラフト後の会見で(西武の正捕手である)『炭谷(銀仁朗)選手を抜かさないといけない』とは答えましたけど、まずは炭谷選手を目標に、早く追いつけるようにがんばりたい。

将来的には巨人の阿部(慎之助)選手のように打てて、中日の谷繁(元信)選手のように息の長い選手になりたい。そうですね、40歳までやれたら十分じゃないですか。身体は小さいですけど、小回りはきくし、細かい動きがしやすい。不利とは思っていないです」

自軍の投手の特徴を把握し、プロの配球も学ばなければならない捕手というポジションで、「高卒1年目から定位置を勝ち取ることがいかに困難であるか」は森も心得ている。「開幕スタメン」や「新人王」といった威勢の良い言葉は出てこなかった。だが、自分の現役生活を「40歳まで」と言うあたり、並の高校生にはない自負心が覗く。