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ITトレンド・セレクト
2013年11月14日(木) 小林 雅一

大学の入学審査で、ソーシャル・メディア上の個人情報を参考にするのは妥当か?

もちろん日本でも、いわゆる「内申書」のような形で、学業以外の要素も合否審査に加味されるのは言うまでもない。が、それはあくまでも高校の教師が観察した「学校内」での振る舞いに基づいている。これに対し米国の場合、「地域社会への奉仕活動」に見られるように、ある志願者(生徒)の(大げさな表現だが)全人生を評価する。

このため高校生達は、普段から出来るだけボランティア活動などには参加し、入学願書にはそれらを細大漏らさず書き込んで、入学審査官との面接でも積極的にアピールする。つまり自分の入学適性を訴えるためには「何でもあり」なわけで、これが逆に「学校以外での活動にも気を抜けない」という、ある意味で負担にもなっている。

一方、大学の入学審査官の側には、厳密な合否審査規定(つまり「志願者のコレとソレとアレだけを評価して、あとは評価項目には加えてはいけない」といった規定)は存在しないようだ。だからこそ、審査官がソーシャル・メディアで見つけた書き込みなど、(言葉は悪いが)場当たり的な評価材料も審査に含まれるケースが生まれる。

外部通報を参考にする審査官もいる

冒頭のNYT記事によれば、米大学の入学審査官は合否審査に際して常にソーシャル・メディアをチェックしているわけではない。むしろ何らかの偶然や、ある種の状況に迫られて、それをチェックするケースが多いという。

たとえば、入学志願者がフェイスブックやツィッターなどに書きこんだ悪口を、第三者が通報するケースがある。こうした情報を貰った審査官が、志願者のソーシャル・メディア上でそれを確認し、「本学には不適格」と判断して、この志願者を落とすことが実際にあるという。

当然ながら、米国でも、こうしたやり方には懸念の声が聞かれる。これ以前から、たとえば企業の入社面接に際して、面接官が事前に入社志願者のソーシャル・メディア上の書き込みをチェックする、といったことは珍しくない。が、企業への入社志願者は(たとえ若い人でも、その多くは)既に成人だ。

これに対し大学への入学志願者は、その大多数が未成年だ。まだ衝動的な面の残る彼らが、ツイッターでうっかり馬鹿な事を言ったり、友達とのやり取りの中で、つい汚い言葉で相手を罵るようなことがあったとしても、それで大学を落とされるというのは、なんだか行き過ぎのような気がする。冒頭のNYT記事でも、その辺りの問題を指摘している。

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