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頭取のクビは必ずとられる みずほスキャンダル これで済んだと思ったら大間違い
〔PHOTO〕gettyimages

大山鳴動して鼠一匹。業務改善命令から社内処分までの1ヵ月を表現するならこんな感じだろう。それもバックに金融庁が付いていればこそ、だったのだが、どうやら風向きが変わり始めたようで—。

処分が甘すぎる

「ちょっと考えられない。驚きを隠せませんね」

みずほ銀行と暴力団を巡る一連の問題で、みずほ側が社内処分を発表。同時に金融庁に対し、第三者委員会による調査報告書を提出した。その処分内容を「考えられない」と語ったのは、旧大蔵省OBで検査官として銀行の金融検査に臨んだ経験をもつ嘉悦大学教授の髙橋洋一氏だ。

「みずほの現幹部たちは『問題の詳細を認識していなかった』などと言い訳していますが、結果としてウソをついたわけでしょう。金融機関として信用問題に関わる致命的なトラブルです。トップを全部、入れ替えるのが普通ですよ。

銀行幹部が高い報酬をもらっているのは、責任を取るため。急に無職になるリスクがあるから、佐藤(康博)頭取などは報酬が年間1億1600万円もあるわけです。それなのに半年は無報酬で働くからと、おカネで解決して地位にしがみつこうなんて、本末転倒。

第三者委員会のヒアリングに佐藤氏は、『コンプラ委員会や取締役会で配られた大量の資料や報告書のなかで、たった2行しか問題融資について触れられておらず、気が付かなかった』と語っていますが、それじゃ、取締役の意味がない。そういう甘い人を取締役に選んだこと自体、問題です。これ、私は検査忌避にあたると思います」

髙橋氏が指摘するように、佐藤頭取は半年間無報酬の処分で、みずほ銀行の頭取に留まり、兼務するみずほフィナンシャルグループ(FG)の社長も続投。前任の頭取で、みずほ銀行会長の塚本隆史氏は、銀行会長の座は降りるものの、FG会長はこれまた半年間無報酬で続けるという。佐藤氏の場合、半年間無報酬とはいっても約6000万円の収入が約束される。

結局、辞任したのはコンプラ担当役員2名のみ。OBを含む歴代役員にも過去の報酬を一部返還させるというが、メニューの食材偽装で社長が辞任した阪急阪神ホテルズと比べても、この処分に「甘すぎる」という声が出るのは当然だろう。

実際、処分が公になって以来、永田町からもあらためてみずほの体質に対する批判が上がっている。

自民党は金融調査会と財務金融部会が合同会議を開き、この席上で「詳細を知らなくとも、組織のトップとして責任を取るべき」と佐藤氏の辞任を求める声が相次いだ。

自民党財務金融部会長の菅原一秀衆院議員が語る。

「第三者委員会の調査を見ても、これで真相解明が本当にできたのか、はなはだ疑問です。今回の問題は欧米から見れば、銀行がマフィアとつながっているようなもの。ガバナンスの問題であり、トップが明快な責任を取るべきなのに不十分だという意見もあります。

反社勢力と付き合い、それが発覚した後も放置し、説明も二転三転。そのうえトップが部分的にしか責任を取らない。これは日本の金融機関そのものに対する信頼の失墜につながるし、マーケットからもしっかり是正しろという声が当然上がってくるでしょう」

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