中国
経済成長のシステムを転換しなければ、中国に前途はない!? 習近平体制の今後を占う「三中全会」開幕
〔PHOTO〕gettyimages

年に一度の共産党の祭典「三中全会」(中国共産党第18期中央委員会第三回全体会議)に泥を塗るテロが、再び起こった。

三中全会が開かれる3日前の11月6日朝、山西省太原の共産党庁舎前で、再び爆弾テロが起こった。7回の爆音が轟き、1人死亡、1人重傷、7人軽傷、20数台の車輌が被害を受けた。

石炭バブルが崩壊し、山西省内はメチャクチャ

私が太原の知人に聞いたところ、次のように語った。

「今回の犯人はおそらく、新疆ウイグルの独立派ではないだろう。太原の地元の漢族の不満分子の犯行だ。昨年後半に、石炭バブルが崩壊し、今年に入って『煤王』(石炭王)たちの多くが破産に追い込まれた。それによって大量の失業者が出て、市民の不満は絶頂に達していたのだ」

私は昨年春に、太原及びその周辺を、一週間に渡って取材した。当時はまだ石炭バブルは崩壊しておらず、「煤王」たちは、我が世の春を謳歌していた。町の中心に巨大な石炭博物館が聳えているような土地柄だった。

今回爆弾テロに遭った共産党庁舎の周りには、欧米の有名ブランドショップが軒を並べていた。それらの店に入ると、ケバケバしい格好をした「酒姐」(カラオケスナックのホステス)たちが、銀聯のゴールドカードで高級服やバッグなどを、次々に買い求めていく姿が見られた。彼女たちが、自分の給料で買っているはずもなく、これらは「煤王」たちのカードだろう。いや、彼女たち自身が、地元共産党幹部の「情人」(愛人)なのかもしれない。

その時、「煤王」の一人にも話を聞いた。彼は驚くような言葉を吐いた。

「共産党の要人とは、地下賭博をやって親しくなるのさ。山西省の党幹部だけでなく、北京からだって党の要人たちは、こちらへしょっちゅうやって来ているよ」

こうした中で、山西省では、年間500人を超す炭鉱夫が、鉱山内で命を落としていると聞いた。山西省内も回ったが、とにかく全省、穴ぼこだらけである。まるで月のクレーターのような省なのだ。つまり、全省が石炭産業でもっていたのである。

それが、昨年後半から石炭バブルが崩壊したので、省内はメチャクチャである。加えて、今年1月には、太原の知人の言によれば何かと評判の悪い李鵬首相ジュニアの李小鵬が、山西省長に収まったことで、省民の不満は募っていた。そんな矢先の爆破事件だったのである。10月28日の天安門爆破事件に次ぐ2週連続のテロだった。

10月28日のテロに関しては、11月に入って、私の微信(中国版LINE)のアドレスに、北京で流布している、極めて怪しげな噂話が転送されてきた。

〈 新疆ウイグルの独立派テロリストたちが、ウイグル族のエイズ患者たち2万人を集めて、新疆産メロンにエイズウイルスを注入した。だから新疆産メロンを買ってはならない 〉

もちろんデマ情報に決まっているが、こうしたデマゴーグを信じて、人気の新疆産メロンが都市部で売れなくなれば、新疆経済は打撃を受けることになる。

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