【厚生労働 その9】 雇用のダイバーシティーを拡げ、成長につなげよ!
〔PHOTO〕gettyimages

経済成長は基本的に人口増加と連動する。日本の高度成長も、近年の新興国の経済成長も人口ボーナスが成長の大きな要因だ。

一方で、今の日本は少子高齢化社会に突入している。その人口減少社会である今の日本が経済成長を実現するには、何が必要か。もちろん、長期的には100の行動【厚生労働5】で提言したような少子化対策が必要だが、現在の人口の中でいかに「働く人を増やすか」という視点が必要になってくる。

データをみれば明確だ。日本の就業率は、全体(20~64歳)で74.6%、女性の就業率が25~44歳で66.5%、高齢者の就業率が60~64歳で57.1%、65歳以上で21.3%となっている。

65歳以下の現役世代全体では1/4の人が働いておらず、特に女性と高齢者の活用が進んでいないという現状が見て取れる。働く人を増やすには、女性、高齢者、そして上記のデータの外にいる外国人がキーワードになる。

人口減少社会においていかに働く人間の数を増やし、質を上げていくか。後者に関しては大学改革や教育改革など【文部科学編】で提言するが、数の確保に関しては、様々な働き方を政策として積極的に認めることがスタートラインだ。

1. 多様な働き方を積極的に認める労働法制を!

今、政府で見直しの議論が始まっている日雇い派遣が禁止されたのは昨年だ。民主党政権による労働者派遣法の改正によって日雇い(30日以内)の派遣労働が禁止された。しかし、この規制は、短期間だけ働きたいという労働者の労働機会を奪っている。見直しの方向性は正しい。

また近年、活発になってきているのは、「クラウドソーシング」による働き方だ。インターネットを使ってオンライン上で不特定多数の人に業務を委託する仕事の仕方で、2012年の市場規模は約70億円、2016年には1,000億円を超えるという予測もある。クラウドソーシングでは、主婦の方でも障がい者の方でも、また、遠隔地に住んでいる方でも、インターネットを使って好きな時間に好きな分だけ働く事ができることが利点だ。

クラウドソーシングに対する直接の労働規制は今はないが、こういった新しい形態の働き方に対して、政府は、日雇い派遣に規制をかぶせたような方法論ではなく、早い段階から積極的・肯定的にとらえて、多様な働き方を促進させる制度を構築すべきだ。

現在の労働規制は、100の行動【厚生労働8】で議論したように、労働時間法制にしても契約社員や派遣社員への規制にしても、多様な働き方を制限する方向に向いている。労働者派遣法が、「派遣社員が正社員の仕事を奪わないよう(常用代替の防止)」に派遣社員の働き方や働く期間を制限しているのがその最たるものだ。

そうではなく、情報化社会の進展に伴って今後出てくるであろう多様な働き方を積極的に促進する労働法制としなければ、成長にはつながらない。日雇い労働、クラウドソーシング、派遣社員、契約社員等、多様で自由な働き方を認め、促進する法制を出来る限り簡素で分かりやすい形で、政府は用意すべきだ。

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