楽しく負けたU-17「監督替えて東京五輪大丈夫?」

文|杉山茂樹(スポーツライター)

スウェーデンに敗れ、ベスト8入りを逃したU-17日本。厳密に言えば注文ゼロというわけではない。前半からもっとサイドを使っていればという気はする。「両サイドバックの背後を突き、ペナルティエリアにさしかかるゴールライン付近からマイナスの折り返しを狙うことがゴールへの近道だ」と語ったのは、あのヨハン・クライフだが、それができれば、スウェーデンの屈強なセンターバックも、真ん中を空けざるを得なかったはず。得点の匂いは、もっと高まっていた。

しかし、日本の2失点は言ってみればGKミス。通常なら防げたであろう想定外のものだ。不運。敗因をその一言に求めても問題ない。実際、DFの宮原和也はこう悔しがったものだ。「10回やって9回勝てる相手に負けた」

確かに、悔しい敗戦ではある。しかし、負け方としてこれ以上のものはないと僕は思う。世界に大きなインパクトを与えながら日本は敗れた。価値ある敗戦。美しい敗戦。「吉武ジャパン」は、サッカー史に残る見事な散り方をした。

しかし、結果至上主義者たちはこの敗戦を受け、ケチを付けることを忘れないだろう。「支配率で勝っても、決定力で劣っては試合に勝てない」。「やっぱり、もっと泥臭い堅守速攻型で行くべきだ」とか、そうした類の声が聞こえてくる。

スウェーデンは今回、いわば堅守速攻型で、勝負に勝った。それはそれで見事と言うべきだが、彼ら自身、そのサッカーに明るい未来を感じているだろうか。格下の日本相手に、25%しかボールを支配できなかった現実に、ショックを受けているに違いない。「今回は勝ったが、次は負けるかも」と、思い切り危機感を抱いていることだろう。