政治政策 地震・原発・災害
「脱原発」を唱える小泉元首相は"愛嬌のある田舎ヤクザ"に見えてくる

 議員を引退してから、政治的には静かにしていた小泉純一郎元首相が、ここのところ「脱原発」を訴えて話題を集めている。

 かつて、小泉政権は原発を推進していたはずだが、今、その本人に「人間は、意見が変わることがある」と言われると、かえって「脱原発」に対する説得力が増す。引退後も人気のある小泉氏が、脱原発陣営に加わったことに対して、意外感を持ちながらも歓迎する向きは少なくない。

 他方、与党内や原発に好意的な人々の間では、原発を稼働しないことに対して、主に経済的な損失を強調して、大筋では政界を引退したはずの小泉氏が、原発問題に口を出すことを、「無責任だ」と批判する声がある。

小泉純一郎氏は冴えているのか勘が狂ったのか

 脱原発の主張に関して、小泉氏の「真意」や「目的」が奈辺にあるのかは分からない。
しかし、小泉氏の子息であり、将来の首相候補とも目される小泉進次郞復興担当政務官にとっての損得はどうなのかという点でも、小泉純一郎氏の「脱原発」の言動は関心を呼ぶ。

 今、脱原発の旗を上げることについて、小泉純一郎氏は、冴えているのだろうか、或いは、加齢等によって勘が狂っただけなのだろうか。

 筆者は、9割方、今回の小泉純一郎氏が「冴えている!」と思っている(残りの1割については、末尾で説明する)。
 考えてみると、「脱原発」は、小泉氏が現役政治家時代に長年旗印として掲げた「郵政民営化」によく似ている。

 先ず、「賛成か・反対か」という問いに対する世論の多数は、当時の「郵政民営化」に対してと同様に「脱原発」が多数派だ。
 小泉氏に対しては、常に人気取りの「ポピュリスト」だ、という批判があるが、それが有効であれば、同時に力となるのが民主主義の仕組みだ。

 一方、与党政治家の多数と行政の当面の主流は「郵政民営化」にも、「脱原発」にも反対だ。
 この構図も、小泉氏には有利だ。原発推進派の人々の多くは、いわゆる「原発ムラ」と呼ばれる原発に関連するビジネスに関連する人々と共通の利害を持っている。まだ小泉氏自身はそこまでやっていないが、彼らを、汚い既得権者達だと批判することはたやすい。

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