半導体の新大陸を開拓する男---TSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー)会長モリス・チャンの"イノベーション”
文/モーニング編集部
インタビューに答えるモリス・チャン。「半導体業界には常にイノベーションが必要」と語る。(写真提供: NHK 以下全点)
11月7日(木)発売の「モーニング」49号および漫画アプリ「週刊Dモーニング」49号に登場の漫画版『島耕作のアジア立志伝』には、TSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー)会長モリス・チャンが登場。半導体業界の仕組みをすべてひっくり返した"改革者"の経営哲学を探ります。今回「現代ビジネス」では、漫画の原案となった『島耕作のアジア立志伝』(NHK BS1)取材班への聞き取りをもとに、"改革者"モリス・チャンの激動の半生を紹介します。

半導体の受託製造で世界シェアナンバーワン

世界の半導体の製造を請け負うTSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー)会長モリス・チャン(82歳)。半導体業界はモリス・チャンの"登場"によって革命的な変化を遂げた。それまで、「垂直統合型」が支配的だった業界に、「水平分業型」という全く新しいモデルを導入したのだ。

それは、実に革命的な出来事だった。それまでは数えるほどしかなかったファブレスという形態、自社の生産設備を持たず半導体の「設計」のみに特化した企業は、モリス・チャンの"登場"によって飛躍的に成長し、かつ急増した。今、TSMCはそのファブレス企業を中心に世界600社から発注を受け、半導体の受託製造で世界ナンバーワンのシェアを誇るまでに成長した。

「初めは製造だけの請負企業など成功するはずがないと思われていました。TSMCを設立する際には、世界各国の企業に資金援助を求めましたが、ほとんど総スカンといっていい状況。もちろんソニーや三菱などの日本の企業にも声をかけましたが、受け入れてもらうことはできませんでした」(チャン)

TSMCの工場の様子。徹底して発注企業の機密情報を保持している。
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