NPO法人3keys代表森山誉恵氏に聞く ~児童養護施設の子供たちへの学習支援と、現代版の助け合いについて~
[左] イケダハヤトさん(プロ・ブロガー)、[右] 森山誉恵さん(NPO法人3keys 代表理事)

イケダ: 今回は、NPO法人3keys (スリーキーズ)代表理事の森山誉恵さんにお越しいただきました。子供の貧困や教育格差、そして3keysの活動についてお話を伺えたらと思います。

森山: よろしくお願いいたします。

東京だけで3000人以上の子供たちが児童養護施設で暮らしている

イケダ: まず最初に、児童養護施設の子供たちが抱える課題について教えてください。

森山: 私たちが支援の対象にしているのは、格差のもとにある子供たちです。その中でも特に児童養護施設にいる子供たちに焦点を当てて活動しています。

児童養護施設は、元々、戦後孤児を預かる場所として始まったものでした。親戚なども預かれなくて、行政が保護するしかない子供たちの場所としてできたので、現在でも学校法人や宗教法人が運営していることが多いです。

しかしながら、そのような文化がなくなっている中で、社会保障化が進んでいます。昔に比べて地域や親族とのつながりが希薄になってきていることもあり、ニーズが増えている状態です。今では、東京都だけでも18歳以下で3000人以上の子供たちが児童養護施設で暮らしています。そのため、定員が埋まっていて、常に待ち状態です。

その中で、身近にサポートする人が足りていない子供たちに対して、3keysでは学習支援にフォーカスした活動しています。しかしながら、子供たちが幼いころに身に付けなければいけないことが身に付いていなかったり、愛情不足だったり、教養面なども足りていないので、問題は根深いです。

イケダ: 児童養護施設に来る子供たちは、基本的に親が子供を育てられなかったり、親と死別してしまったことなどが原因なんですか?

森山: そうですね。昔は親を亡くした子供たちが来ることが多かったんですが、現在では、施設に来る子供たちの95%には親がいます。しかし、その親が精神疾患だったり、虐待をしたり、また親自身が生活保護を受けているケースもあり、世代をまたぐ複雑な問題となっています。

イケダ: 施設の子供たちは、18歳で施設から出て行くんですか?

森山: 基本的には、児童福祉法行政のもと18歳まで守られていますが、2年前くらい前に行政の方で、20歳まで延長してもいいということが通知されました。ただ、施設の方もいっぱいいっぱいなので、次の子供たちのために、できるだけ18歳で出ていくことが暗黙のルールになっています。

イケダ: 要するに18歳以上になったら、自立しなきゃいけないということなんですね。たとえば、勉強したい子供というのはどうなんでしょう。どうしても働きながら通える学校に進学するということになるのでしょうか?

森山: 進学の場合は、夜間になることが多いですね。施設の子供たちの8割が就職の選択肢をとっている状況です。親からの支援や奨学金の活用をもとに進学する子もいますが、まだ一握りしかいませんね。

また、意欲的に高校まで学習しようという子供たちの方が圧倒的に少ないです。中卒も2~3割ほどいますし、たとえ高校に進学したとしても、中退してしまうケースが多くあります。

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