金子勝、古賀茂明、小熊英二ほか小泉の「原発ゼロ」提言—私はこう考える

2013年11月20日(水) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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地震大国である日本が、原発による発電を放棄しなければならないことは明らかなことです。脱原発は、当然の政策です。その意味で、小泉さんは当たり前のことしか言っていません。小泉さんの提言については、喜ばしいことと思うのと同時に、懐疑的な見方もしてしまいます」

再登板はあるのか

山本氏は、小泉提言は原発再稼働を推進する自民党の、一つの「受け皿」になるのではと見ている。

「現在の安倍政権は極右政権であるばかりか、原発再稼働というとんでもない道に日本を導こうとしている。そんな中で、小泉さんは、自民党の中にもブレーキがあるというアピールをしているように思えます。また、政権にしてみれば、自民党に対して直接的な影響力を持たない小泉さんが『原発ゼロ』を宣言したところで、マイナスはない。

これから消費税増税がはじまり、政権の足元は揺らぐ。そうだとしたら、次に選挙になったときに、自民党の中で票を逃がさないための求心力が必要とされるわけです。自民党内に『脱原発』という動きがあることをアピールしておくために、小泉さんの提言は絶妙のタイミングだった」

日本では数少ないリーダーシップを発揮できる政治家として、小泉氏の言動は、海外からも注目を集めている。なかでも『ニューヨーク・タイムズ』紙は「かつて原発推進派だった元首相が、原発全面禁止を望んだ」と題した社説を掲載(10月15日付)。その変節ぶりを大きく報じた。

同紙東京支局長のマーティン・ファクラー氏はこう語る。

「小泉氏が再び表舞台に立つきっかけとして、原発の問題を選んだことは興味深い。この問題が今の日本にとって極めて重要であると感じ、それについて沈黙を破らなければならないほど喫緊の問題だと感じているのだろう。

世論をみると、日本人の大半は原発再稼働に反対している。これは原子力に対するアレルギーというよりはむしろ、政府に対する不信、もっと言えば東電や電力業界を厳格に監視する能力に対する不信が原因だ」

国民に原発へのマイナス感情があるにもかかわらず、原発推進を打ち出す自民党が選挙で圧勝したことは、「理解しがたかった」とファクラー氏は語る。

「反原発の世論をリードする、有能なリーダーがずっといなかったのが理由かもしれない。いままでの野党の党首では、力不足だったということだ。

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