企業・経営
志賀COOが退任しトロイカ体制に!”老害化”が進む日産自動車カルロス・ゴーン社長は晩節を汚すのか
会見に臨むカルロス・ゴーン氏 [Photo] 筆者

 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は11月1日、同日付の役員人事を発表した。同時に2014年3月期決算では、円安効果も吹き飛んでしまう通期の業績見通しの下方修正を行った。

 一言でいえば、今回の役員人事の特徴は、ゴーン氏が自分の経営責任は棚上げにして「独裁体制」を強化するものである。
 筆者はこれまで、14年前に倒産寸前だった日産を立て直したゴーン氏の手腕に一定の評価を与えてきたが、その手腕にも限界が訪れ、「老害化」が進んでいると言わざるを得ない。

 当初、決算発表は11月5日の予定だったのが1日に繰り上がり、しかもゴーン氏が出る予定はなかったのに急遽出席が案内されたことから、重大発表があるに違いないと、メディアが騒ぎ始め、10月31日夜にはゴーン氏退任かの噂も流れたが、事態は全く逆だった。

ゴーン氏退任の噂が一転

 今回の役員人事のポイントは、志賀俊之・最高執行責任者(COO)が副会長に退き、中期経営計画の管理など事業の統括的な責任者から外れて、渉外や知的資産管理などを担当することと、収益管理の責任者(CPO=チーフ・パフォーマンス・オフィサー)であるコリン・ドッジ副社長がCPO職を外れ閑職の特別プロジェクト担当になる点だ。

 後任のCOOは置かず、西川廣人副社長をゴーン氏に次ぐ第二位の役員と位置付け、西川氏、アンディ・パーマー副社長、トレバー・マン副社長の3人がこれまでの志賀COOの役割を分担して担う「トロイカ体制」となる。
 しかも、大きな役員人事は4月や6月に実施されるのが通例だが、11月1日付という中途半端な時期に実施したのも異例だ。

 また、2014年3月期決算の通期見通しは、営業利益が期初見通しより1000億円減少の6000億円、当期純利益が650億円減少の3550億円となる。
 自動車メーカー各社が好業績を発表する状況の中で、日産だけが業績を後退させている。その主な要因は、新興国経済の減速に伴うアジア・オセアニア、中南米の販売減のほか、北米事業の利益率の低下、大規模リコールの増加などがある。

 さらに掘り下げてみていくと、中期経営計画では中国や東南アジア、中南米に大きな投資をしながらまだ収益回収に至っていないことや、自動車販売が回復している北米市場でトヨタやホンダなどの競合車に比べて商品力で劣るなどの商品戦略の躓きによる収益性の低下という課題が浮かび上がる。

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