中国
天安門車両爆破事件で面目を潰された習近平政権は「ウイグルとの戦い」に本気になるか!?
〔PHOTO〕gettyimages

10月28日昼頃、北京の中心にある天安門広場で起きた車両爆破テロは、乗っていたウイグル族の実行犯3人を含む5人が死亡、付近を歩いていた観光客ら40人が負傷するという惨事となった。中国中央テレビと中国国営新華社通信は、30日夜になって、北京市公安局が、逃亡中のウイグル族の犯人グループ5人を全員拘束したと伝えた。

漢民族の支配が強まるほどウイグル族は反発する

ウイグル族は、中国西端の新疆ウイグル自治区に住む約1100万人の少数民族だ。敬虔なイスラム教徒で、中国からの独立志向が強い。そのため長年にわたって、中国政府と対立を繰り返してきた。

新疆ウイグルとチベットに足を運ぶと、外国人の私でも、「ここを中国と呼ぶには、ちょっと無理があるでしょう」と思えてくる。まず体格や皮膚の色、格好が漢民族とまるで違うし、言葉も違えば食べ物も習俗も異なる。つまり「外国」に見えるのである。それでも中国は、「不可分割的領土」と呼んで支配を続ける。

思えば中国大陸と中央アジアの歴史は、完全な弱肉強食の世界である。漢民族が強かった秦漢代や隋唐代などは、中央アジアのかなりの部分を支配した。逆に、元代はモンゴル人に全土を支配され、清代は満州族に全土を支配された。

そもそも境のない大陸なので、「どの民族の領土」というより、過去から現在に至るまで「優勢の民族が支配する領土」なのである。現在は中華人民共和国が強大なので、かなりの部分を支配しているというわけだ。

だが、ウイグル民族としては、漢民族の支配が強まれば強まるほど反発する。今年3月に習近平政権が発足して以降、報道されているだけでも、10人以上の死者を出す事件が3度も起こっている。

①4月23日午後1時半頃、新疆ウイグル自治区西端のカシュガル地区で、公安が民家を襲撃し、15人が死亡、8人が拘束された。

②6月26日未明、同自治区首府ウルムチ郊外のルクチュン地区で、住民グループと警官隊が衝突し、27人が死亡した。

③8月20日、カシュガル地区で、公安がウイグル族の集団を襲撃し、少なくとも15人を射殺した。

まさに習近平政権とウイグル族は、一触即発の状況にあるのだ。

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