廃炉・事故処理に向けた新組織の構築---「事故収束と事業継続のジレンマ」からの脱却のために

建設的かつ抜本的な見直しと新体制構築の必要性

前回の拙稿で汚染水問題について詳述したところだが、実はこの問題の本質は、東京電力が「事故処理と事業継続のジレンマ」に陥っている、というところにある。このことについては、筆者が9月27日、30日の閉会中審査(経済産業委員会)でも明らかにしてきた。

事故後5ヵ月後に成立した原子力損害賠償支援機構法(東電救済スキーム)によって東電は企業体として生命維持が確保された状態となり、事故処理と賠償の責を負うことになった。一方、国においては東電が行う事故処理や賠償に対して一定の線引きがなされることになった。

しかし、今回、汚染水問題の解決を図るための凍土壁構築などの事業費拠出に対しては、「国が前面に立って解決を図る」との安倍政権の方針より、一般会計予備費の投入が決定された。事故という事情を考慮しても、一民間事業者に対して行う国費投入には慎重であらねばならないという大原則の下、「技術的難易度が高い」ことが閣議で条件として付された。

したがって、今後その他の在来工法による多重防護策などへの国費投入は安易にできないことが明らかとなり、事故処理・収束に向けては、極めて場当たり的で、画竜点睛を欠く結果となってしまっている。

一方、東電救済スキームに関しては事故後わずか3ヵ月で閣議決定し5ヵ月で成立させた法案ということで、当時も早期の見直しの必要性が国会でも指摘され、最終的には附則の6条2項と附帯決議によって2年を目途としての法律の見直しを「国民負担の最小化」の為に行うことが明記された。

よって、法的にも2011年8月5日成立の原子力損害賠償支援機構法の見直しによる東電救済スキームの再検討と同時に、事故処理を迅速かつ的確に実施できる体制の構築が求められているところである。この時期にこそ、建設的かつ抜本的な見直しを図る必要性を改めて提言したい。

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