企業・経営
中古マンションも不動産業界のビジネスモデルもリノベーションを目指すベンチャー企業「リノベる。」のチャレンジ
渋谷区内にある「リノべる。」のショールーム [Photo]「リノべる。」提供

 日本の不動産業界のこれまでのビジネスモデルを打破し、新たな風を吹き込もうとしているベンチャー企業の経営者がいる。「リノべる。」(本社・東京都渋谷区)の山下智弘社長(39)だ。

 2006年に公布された住生活基本法によって、国が住宅の長寿化と中古市場の活性化の方針を打ち出しており、国土交通省は2020年までに中古住宅の流通量を倍増させる方針を打ち出している。こうした流れに目を付け、3年前に「リノべる。」を起業した。

 中古住宅を改装して機能や性能を向上させることを意味する造語の「リノベーション」と掛け合わせて社名を付けた。
 現在は消費税引き上げ前に住宅を購入しようと消費者の関心が高まっていることも影響し、業績を大きく伸ばしている。

物件探しから設計、工事までワンストップで対応

 築30年から40年のマンションでも顧客のニーズに合わせて生まれ変わらせ、70平方メートルで、平均850万円(中古マンション購入費は除く)でリノベーションできるという。

 物件探し→設計→工事といった手順を踏んでリノベーションしていくが、それぞれのプロセスごとに業者が違うのが一般的だ。
「リノべる。」は、それをワンストップで顧客の要求に対応し、地方銀行などと連携してローンサービスまで対応する。大手都市銀行などは、中古マンションを担保価値があるものとして認めない傾向にあるため、差別化を狙う地銀を取り込み、中古にもローンを付けてもらうようにした。

 ただし、世の中の流れの変化を見て、こうしたワンストップサービスでローンにも対応できる新興企業は増え始めている。

 実は「リノべる。」が他社と差別化している最大のサービスは、別のところにある。
 リノベーション業界で他社がやらないビジネスモデルを構築し、「オンリーワンの立ち位置」を保持している点にある。

 リノベーション企業は大きく2つに分けられる。中古マンションを自社で購入後、リフォームしてから再販売する「買い取り再販型」と、購入のタイミングで顧客の希望に合わせて自由に設計するオーダーメード的な「請負型」の2つのパターンだ。

 両方に一長一短がある。
 再販型は、既存の流通網に乗せやすく、市場も大きいが、企業側の都合(コストや売りやすさなど)でリノベーションしてしまうことで顧客のニーズが反映できない。
 また、請負型は、顧客の要求をフルに反映できる反面、手間がかかり、コストが高くなる。「リノべる。」は、両方の長所を取り込むビジネスモデルを作ったのである。

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