ねじれが解消したいまこそ官僚の既得権益にメスを!今国会で注目すべき特会改革法と公務員制度改革法の意外な関係


政府は、18の特別会計を15に統合することを柱とする特会改革法案を今国会に提出予定だ。特会にはいわゆる「埋蔵金」があるという批判をかわすためだ。ところが、その中身を見て、筆者は驚いた。スカスカなのだ。

たとえば外為特会。外為特会の積立金を「埋蔵金」というのは、適切ではないが、日本の水準は先進国の中では飛び抜けて大きい(2013年2月18日付け本コラム「G20でマスコミ報道はピンぼけばかり!本当に必要なのは「外為特会利権」の改革だ」参照)。

変動相場制であれば、一度為替介入して外債を購入しても、その外債の償還期限が来たら償還し、それで調達した政府短期証券も償還し、資産と負債を両方ともに減少させるのが筋だ。ところが、日本の外為特会では、外債のロールオーバーを行うことで、事実上の為替介入を継続している。その結果、先進国では類を見ない外為積立金になっている。

これを変動相場制の先進国並みに運営すれば、外為積立金は今の120兆円を20兆円程度でいい。いまより100兆円減少し、同時に国債残高も100兆円減少する。政府はそれもやらずに日本の国債残高は大きいと騒ぎ続け、それで消費税増税の理由としまった。財務省の自作自演で、消費税増税を迫った。

金融系エコノミストが増税を支持する理由

国際常識を知っていれば、行うべきは外為積立金の縮小、国債残高の縮小のはずだ。今の外為積立金は借金して外債購入するという、国の財テクであることを考えても、縮小すべきである。

ところが、政府の特会改革は、財テクの縮小ではなく財テクの拡充なのだから、まったく逆方向である。しかも、民間金融機関にも運用ビジネスを広げるという、民間金融機関にとっては喉から手が出るほどの「おいしい話」になっている。
 

何しろ残高120兆円の運用ビジネスだ。仮に残高の0.1%が手数料(または売買差益)として金融機関に入るとすれば、年間1200億円の利益になる。0.01%としても120億円だから、金融機関向けの「大型公共事業」といえよう。

こう考えてくると、テレビなどで必死に消費税増税を訴える金融機関系エコノミストが多かったのが得心できる。金融業界だって、財務省のいいなりで消費税増税をいっていたわけではない。見返りがあると考えるほうが自然だ。

もちろん、本来必要な国の事業を民間委託するのはいい。ところが、巨額な外為積立金は、変動相場制下ではあり得ない話だ。しかも借金しての財テクだから、やらない方がいいものだ。

政府資産に着目すると、このような政府の欠陥が見えてくる。外為積立金以外にも似たような話はある。このあたりについては、最近講談社で出した拙著「日本は世界1位の政府資産大国」を参照してほしい。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら