とびこをキャビアに「誤表示」したと言い張る阪急阪神ホテルの偽装表示事件は「安全・安心・正直」という日本の金看板を傷つけた

私はいま、かなり残念な気持ちでいっぱいです。相当落ち込んでいます。

今回の阪急阪神ホテルの偽装表示事件のことです。経営者側は「誤表示」であると釈明したそうですが、「偽装」か「誤表示」かは別としても、お客様に表示と違ったものを食べさせてしまった、それもとびこをキャビアとするなど、明らかに価格をつりあげて高いものを食べさせていたという点は許し難いことです。

私は日本や日本の未来や日本人を信じています。だからこそ日本株のファンドマネジャーをしているし、日本の未来にかけ続けています。尖閣問題などの影響で数は減ったとはいえ中国人の観光客が日本に来てくれて、買い物をしてくれます。それも中国のデパートで売っている商品をわざわざ日本で買ってくれたりしている。それはなぜかといえば、日本の商品に対する信頼があるからです。

 中国ではすべてがそうではないでしょうが、大手の百貨店でさえ化粧品の瓶だけ同じにして中身を入れ替え、水をいれたりして誤魔化す詐欺が横行しています。しかし日本はそのようなウソや詐欺をする店がほとんどなく、安心してモノを買うことができるという信頼があります。だから日本でたくさん買い物をしてくれるのです。

表示をごまかしただけでなく、釈明までもが不真面目

 ものづくり日本は電化製品やコンピューター、スマートフォンなど多くの分野でアジア諸国の攻勢に苦しい状態です。しかし日本という国そのものはとても清潔で安全です。食事もおいしくて、売り場においては正直で真面目であるというのが日本の魅力であり、日本の切り札だと考えていました。そして、私は投資家向け説明会においてもそのような説明をしてきました。

しかし、私自身が今回の事件で私は自分の説明に疑いを持ちつつあります。日本人の真面目さというのは相当に失われつつあると。

九条ネギをうたった商品が九条ネギでなかったというのは「誤表示」なんでしょうか。九条ネギを仕入れることができなかった事情は購買の人から料理人まで知っているはずです。シェフは青ネギと白ネギと九条ネギの区別がつかないのでしょうか。まさか。なぜ誰も止められなかったのでしょうか。「筆がすべった」とはどういうことでしょう。彼らは不真面目にも商品を誤魔化しただけでなく、その釈明も完全に不真面目です。

これは誤表示でも偽装でもなく、ほとんど詐欺です。寿司屋で大将にそれぞれのネタの産地やネタの薀蓄(うんちく)を話してもらいながら、舌鼓を打つことは至福の時です。しかし、それがウソであったらどうでしょう?すべてが台無しです。耐震偽装事件とどこが変わらないのでしょう。それも今回はリッツ・カールトンホテル大阪(阪急阪神ホテルの系列)にまで及んでいます。

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