犬もヒトと同じ
『現代ビジネスブレイブ グローバルマガジン』---「ニューヨークタイムズ・セレクション」より

起きたままの状態で犬をMRIにかける実験

この2年間、私は同僚とともに、完全に起きたままの犬を何の拘束もしない状態でMRIスキャナーに入れる訓練をしてきた。その目標は犬の脳の働きを解明すること、そしてさらに重要なのは、犬がわれわれ人間のことをどう考えているかを解明することだ。

12頭の犬を訓練しスキャナーにかけた今、私の避けがたい結論は、「犬も人間と同じ」ということに尽きる。

犬はしゃべれないので、科学者たちは、もっぱら犬の行動を観察することで犬が何を考えているのかを推測してきた。しかし、これはなかなか厄介なことだ。犬にどうしてそんなことをするのかとは聞けないし、ましてや、どう感じているかと聞くわけにもいかない。だから、動物の気持ちを解明する調査に関しては、科学者の多くが尻込みしている。

いずれにせよ動物研究というのは、めっぽう領域が広い。だから、答えを出すのは不可能ということで、動物の感覚性や感情に関する質問を避けるのは、今まではとくに難しいことではなかった。

しかし今や、犬の脳を直接観察し、行動主義(※)の制約を回避することにより、MRIによって犬の内面の状態を知ることができる。

MRIは、大きな音のする狭い空間の中で行なわれる。誰でもMRIが嫌いだ。しかも、やっているあいだ中、身動きひとつ許されない。これまでの獣医の診療では、スキャンの間に動物が動かないよう麻酔をかけなければならないとされてきた。しかし、麻酔をかけてしまったら脳の機能を調べることはできない。少なくとも、知覚や感情といったおもしろいことは分からない。

(※)行動主義:客観的に観察しうる行動のみを研究対象に限定する心理学説

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