不正・事件・犯罪 企業・経営
やっぱり「徒花」だった野心溢れる28歳 詐欺容疑で逮捕された太陽光発電ベンチャー社長の人となり

「時代の羅針盤か、それとも徒花か」
 そんなタイトルで、私が本コラムで太陽光発電装置のエステート24ホールディングスを採り上げたのは、今年5月16日のことである。それから約5カ月後の10月19日、大阪府警捜査2課は、同社社長・秋田新太郎容疑者(28)を詐欺容疑で逮捕した。

 資本主義が健全な発展を遂げるには、既存のビジネスモデルや特定の企業に支配された市場を、打ち壊しながら突き進むベンチャー企業が欠かせない。概ね、若く荒削りで危ういところが多いが、リスクを取るアニマルスピリッツは刺激的で、私は、心情的には応援したいと思っている。

脇の甘さは危惧していた

 したがって記事を作成した時点で、27歳とまだ若い秋田氏には、「羅針盤になって欲しい」という願望を持っていた。
 同時に、足元を踏み固めながら進む慎重さが必要で、若さに任せて、単身、どこにでも飛び込み、誰とでも会い、結果オーライで済ませる脇の甘さは危惧していた。

 その恐れが、「徒花か」という表現につながったのだが、結論はあまりに早く出た。
 大阪府警の発表によれば、秋田容疑者と一緒に逮捕された田中智久容疑者(36)は、昨年9月、みずほ銀行に融資を申し込む際、太陽光発電の販売実績を水増しし、「返済原資はある」と虚偽説明。
 また、他のメガバンクから融資を受けたとする偽造証明書を提出、約2億円の融資を引き出したという。

 起訴前の段階ではあるが、日本の刑事司法の起訴率、有罪率の高さを思えば、困難な立場に立たされているのは間違いなく、少なくともエステート24で行ってきた太陽光発電販売事業は、「徒花に終わった」といって差し支えない。
 というのも、今回の犯罪は、私が秋田、田中両容疑者に興味を持つ事件と相似形であり、私の取材に対して秋田容疑者は、「二度と繰り返さない」と、明言していたからである。

 順を追って説明しよう。

 秋田容疑者が、20年間固定価格で電力を買い取る「再生エネルギー買い取り制度」の追い風を受け、急成長する「ベンチャーの旗手」として注目を集めたのは昨年半ば頃からだった。設立の翌年2010年12月期の売上高が15億4,400万円、11年12月期には73億4,200万円に跳ね上がり、12年12月期はその倍増を予告していた。

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