「男性の更年期障害」は製薬会社によって"作られた病気"だった!?

2013年10月23日(水) クーリエ
〔PHOTO〕gettyimages

女性のみならず男性にも更年期障害がある――そんな話は、古代ローマの時代からあった。しかし、「男性の更年期」に関する説がしきりに持ち出されるようになったのは、ここ数年のことである。加齢によって男性ホルモンの分泌が減り、肥満やほてり、イライラに悩まされるというのだが、そもそもそんな"病気"は本当に存在するのか?

実は男性の更年期障害が取りざたされるようになった背景には、「ある新薬」の開発があった。男性ホルモンであるテストステロンを、塗るだけで補充できるジェル薬だ。注射やパッチがなくとも簡単に使える新製品だったが、その薬を使用して治療するための"病気"が見つからなかった。そこで、潜在的な市場を開拓するために製薬会社が、「男性の更年期障害」に関するキャンペーンを打ち始めたのだ。

シュピーゲル(ドイツ)より

たとえば、ドイツの製薬会社イエナファームは、40歳以上の男性なら無料でテストステロン値を計測できるようにした。その結果、同国では2003年から11年のあいだにジェルの使用量は3倍に伸びた。また現在、米国では40歳以上の男性の3%がジェルを処方されている。

しかし、科学的に見て、テストステロンの補充が必要な男性はほとんどいないという。むしろ薬の使用で前立腺がんや脳梗塞のリスクを高める可能性があるため、医療関係者のなかにもジェルの多用を憂慮する声がある。

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