町田徹「ニュースの深層」
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安倍首相が自画自賛する産業競争力強化法は 経済産業省の焼け太りを助長する

2013年10月22日(火) 町田 徹
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[photo] Bloomberg via Getty Images

 臨時国会の招集と機を一にして、先週、政府が閣議決定した「産業競争力強化法案」は、安倍政権の隠れた実態を映し出す鏡としての示唆に富んでいる。

 安倍首相は、所信表明演説で、この法案がアベノミクスの成長戦略の要になると述べ、企業ごとに規制を緩和する「企業実証特例制度」の導入や、リストラ、設備投資、雇用を促す1兆円の税制優遇を含む同法案を自画自賛した。

 だが、中身をみると、早くから懸念されていた通り、肝心の賃上げを保証する具体策はひとつもない。経済を好循環に導けるかどうかは未知数だ。

所信表明演説ではアベノミクスの効果を強調

 その一方で、経済産業省による産業界と他省庁の所管分野への介入に道を開く、同省の焼け太り策が随所に見られる内容になっている。

 15日の所信表明演説で、安倍首相が圧倒的なボリュームを割いて誇示したのは、各種の世論調査で安倍政権が高い支持率を獲得する原動力になっている経済政策だ。
 「はじめに」から「終わりに」までの全6項目のうち、5項目を経済政策の説明に充てる一方で、個人的に首相が強い意欲を持っているとされる安保・外交問題については1項目しか立てなかった。

 その経済政策で安倍首相が強調したのは、アベノミクスの順調な滑り出しだ。

 

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